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RETOの応援を受けて、だらしない走りはできない
RRC member interview text:Shun Sato 第7クール A-1チーム(目標:サブ3)MVP 古山陽介さん 慢性的な足首の痛み つくばマラソンでのPB(3時間08分56秒)は、うれしかったですね(笑)。昨年3月の東京マラソンは、故障の痛みを抱えながら走って惨敗したのですが、つくばはなんとか持ちこたえてくれました。 僕は、高校時代、サッカー部だったのですが、シュートの際、相手DFと接触して足首の靭帯が伸びてしまい、それ以来、慢性的に足首に痛みを抱えています。RETO に入る前の走量は月間で100キロぐらいだったので、それほど痛むこともなく、痛みが出たとしても引きずることはなかったんです。でも、今は月間200キロを超えるようになり、40代という年齢も重なって治療しても痛みが抜けにくくなっています。 だらしない走りはできない この古傷は医者にも診てもらったのですが、根本的な治療方法がなく、強度を高めたり、距離を踏むと痛みが出てきてしまうので、ポイント練習やレースを走る際はしっかりテーピングをして、なんとかごまかしながら走っている感じです。つくばの時も途中から足首に痛みが出てきたんですけど、何とかPB更新できるタイムで走れていましたし、RETOのみんなの応援がありがたかった。だらしない走りはできないなって思いましたし、イッチー(市川貴洋さん)の併走応援と、ラストのつくば大学に入ったところでのカイ君(片山絵さん)の応援に救われました。 RETOとの運命的な出会い RETOとの出会いは、ある月曜日の夜でした。僕は、土日は子どもの面倒や習い事など家族サービス優先で練習がまともにできないので(1時間以内のジョグ程度)、月曜日の夜に二重橋で一人でポイント練習をしていたんです。その時、RETOの練習会を見ていて、「活気があっていいなぁ」と思っていました。月曜日の夜の練習会というのも自分のサイクルにぴったり合っていたので、縁があったのかなと思います(笑)。 人見知りな性格だけど 実は、それまでもいろんな練習会に出たりしていました。ただ、僕は、けっこう人見知りなので、その場で多少、話はするけど、なんとなくそこで終わっていたんです。でも、RETOは最初から打ち解けやすいメンバーばかりで、仕事もランニングも一生懸命にやっている姿に刺激を受けました。レース中の応援もこれまでは練習会で会った人がたまたま来ていて応援してくれるみたいな感じのレベルだったんですが、RETOは大応援団なので、応援のスポットまでちゃんと行かないといけないと思いますし、名前を呼ばれるとスイッチが入るので、本当にありがたいです。そんなみんなと一緒に走ったり、応援することができて、みんなに出会えてよかったなぁと思っています。 土日は家族優先 欲を言えば、土日の練習会とか合宿や応援にもっと参加していきたいです(苦笑)。でも、土日は家庭優先でなかなか家庭内稟議が通りません。先日の東京マラソンも気持ちよく走れたので(PBも更新)、打ち上げに行きたかったのですが、参加できず残念でした。小さい子どもを持つ家庭のランナーは、同じような環境にあると思いますが、子どもがもう少し大きくなったら土日も多少は融通が利くようになるのかなと思っています。 ナチュール会開催 今年の1月に練習会ではなく、ワイン会を催したのですが、すごく楽しかったです。懇親会の席で聖也さんと「ナチュラルワインが好きなんです」という話で盛り上がったのがきっかけで、ようやく開催できました。僕は、お酒が好きで、ほぼ毎日のペースで飲んでいます。特にワインが好きで、ずっとワインだけ飲んでいられるぐらい好きですね(笑)。RETOは、けっこう飲める人が多いですし、あと3店舗ほど、貸し切りで飲めそうなところがあるので、また機会を見て、「ワインの会」を開催できたらと考えています。ワイン以外のお酒も出してもらえるようにお店にお願いして参加者の間口拡大も計画中(笑)。もちろん、マラソンも今季は自己ベスト(東京マラソン:3時間06分01秒)を淡々と刻めたので、次のシーズンではサブ3を狙ってトレーニングします。
RETOの応援を受けて、だらしない走りはできない
RRC member interview text:Shun Sato 第7クール A-1チーム(目標:サブ3)MVP 古山陽介さん 慢性的な足首の痛み つくばマラソンでのPB(3時間08分56秒)は、うれしかったですね(笑)。昨年3月の東京マラソンは、故障の痛みを抱えながら走って惨敗したのですが、つくばはなんとか持ちこたえてくれました。 僕は、高校時代、サッカー部だったのですが、シュートの際、相手DFと接触して足首の靭帯が伸びてしまい、それ以来、慢性的に足首に痛みを抱えています。RETO に入る前の走量は月間で100キロぐらいだったので、それほど痛むこともなく、痛みが出たとしても引きずることはなかったんです。でも、今は月間200キロを超えるようになり、40代という年齢も重なって治療しても痛みが抜けにくくなっています。 だらしない走りはできない この古傷は医者にも診てもらったのですが、根本的な治療方法がなく、強度を高めたり、距離を踏むと痛みが出てきてしまうので、ポイント練習やレースを走る際はしっかりテーピングをして、なんとかごまかしながら走っている感じです。つくばの時も途中から足首に痛みが出てきたんですけど、何とかPB更新できるタイムで走れていましたし、RETOのみんなの応援がありがたかった。だらしない走りはできないなって思いましたし、イッチー(市川貴洋さん)の併走応援と、ラストのつくば大学に入ったところでのカイ君(片山絵さん)の応援に救われました。 RETOとの運命的な出会い RETOとの出会いは、ある月曜日の夜でした。僕は、土日は子どもの面倒や習い事など家族サービス優先で練習がまともにできないので(1時間以内のジョグ程度)、月曜日の夜に二重橋で一人でポイント練習をしていたんです。その時、RETOの練習会を見ていて、「活気があっていいなぁ」と思っていました。月曜日の夜の練習会というのも自分のサイクルにぴったり合っていたので、縁があったのかなと思います(笑)。 人見知りな性格だけど 実は、それまでもいろんな練習会に出たりしていました。ただ、僕は、けっこう人見知りなので、その場で多少、話はするけど、なんとなくそこで終わっていたんです。でも、RETOは最初から打ち解けやすいメンバーばかりで、仕事もランニングも一生懸命にやっている姿に刺激を受けました。レース中の応援もこれまでは練習会で会った人がたまたま来ていて応援してくれるみたいな感じのレベルだったんですが、RETOは大応援団なので、応援のスポットまでちゃんと行かないといけないと思いますし、名前を呼ばれるとスイッチが入るので、本当にありがたいです。そんなみんなと一緒に走ったり、応援することができて、みんなに出会えてよかったなぁと思っています。 土日は家族優先 欲を言えば、土日の練習会とか合宿や応援にもっと参加していきたいです(苦笑)。でも、土日は家庭優先でなかなか家庭内稟議が通りません。先日の東京マラソンも気持ちよく走れたので(PBも更新)、打ち上げに行きたかったのですが、参加できず残念でした。小さい子どもを持つ家庭のランナーは、同じような環境にあると思いますが、子どもがもう少し大きくなったら土日も多少は融通が利くようになるのかなと思っています。 ナチュール会開催 今年の1月に練習会ではなく、ワイン会を催したのですが、すごく楽しかったです。懇親会の席で聖也さんと「ナチュラルワインが好きなんです」という話で盛り上がったのがきっかけで、ようやく開催できました。僕は、お酒が好きで、ほぼ毎日のペースで飲んでいます。特にワインが好きで、ずっとワインだけ飲んでいられるぐらい好きですね(笑)。RETOは、けっこう飲める人が多いですし、あと3店舗ほど、貸し切りで飲めそうなところがあるので、また機会を見て、「ワインの会」を開催できたらと考えています。ワイン以外のお酒も出してもらえるようにお店にお願いして参加者の間口拡大も計画中(笑)。もちろん、マラソンも今季は自己ベスト(東京マラソン:3時間06分01秒)を淡々と刻めたので、次のシーズンではサブ3を狙ってトレーニングします。

刺激になり、心強い同世代の仲間
RRC member interview text:Shun Sato 第7クール Bチーム(目標:サブ3.5)MVP 野崎七菜子さん 7年ぶりのPB更新 つくばマラソンでの3時間34分16秒は、7年ぶりのPB更新でした。 前のPBは、まぐれで1本出たみたいな感じで、それからも走るのを続けていたのですが、タイムが伸びず、そのうちコロナでステイホームになり、走るのが嫌になったんです。その後、気持ちを切り替えてRETO に入ったのですが、まずはサブ4を目標にスタートしました。昨年の3月の板橋シティマラソンで3時間40分(3時間39分02秒)を切り、今回、35分を切れたので、ようやく先(サブ3.5)が見えてきたので、うれしかったですね。 家族と仲間のサポート つくばの時は、直前まで足の調子が悪く、トンさん(夫・野崎稔雄さん)がインフルエンザになったのでやめようかなと思っていました。でも、なんとか熱が下がって、トンさんのご両親がつくば駅に迎えにきてくれて、スタート場所まで送ってくれたんです。レースでは最後、陽平(成相)さんが並走してくれて、それが大きかったなぁと思います(笑)。 トンさんのやさしさ 練習は、月間走行距離でいうと平均250~300キロぐらいでした。基本的にスピード練習が嫌いで長い距離を淡々と走っているのが好きです。家では、たまにトンさんに練習をサポートしてもらっています。トンさんは週末に30キロを走るのですが、最初の15キロを私のMペースで一緒に走ってもらったり、聖也さんのトレーニングメニューのスピード練習や練習会でできなかったメニューをもう1回やる時は、トンさんに引っ張ってもらっています。 休むことへの不安 最近は、追い込んだり、走る距離が増えてきていることもあって、足が痛くなることが増えてきました。これまで怪我で休むことがほとんどなかったので、「1週間休んでください」と病院の先生に言われると不安になってしまうんです。正直、年齢的なものもあって、焦りがあるのかなと思います。これから練習会でなんとか練習をこなしても、たぶんみんなと同じようには伸びていかないと思うんです。維持するのも大変だと思うので、練習しないと、どんどん落ちていくみたいな恐怖感が大きいんです。だから、「ちょっと痛いぐらいなら大丈夫」と思って走るのですが、最近はみんなに「やめな!」と止められています(苦笑)。 同世代の女子たち RETOは、年齢層の幅が広いのがいいなと思っています。たぶん、伸び盛りの若手ばかりの中に一人でいたら、ちょっと居づらくなると思うんです。でも、私と同世代の女子がいるので同じような悩みやいろんなことをストレートに話ができるので、とっても心強いですし、刺激にもなります。特にゆうこりん(長谷部裕子さん)は頑張って、どんどん速くなっていくので、自分もがんばろうという気持ちにさせてくれますし、チェリーさん(桜井徹哉さん)の頑張りを見ていると年齢を言い訳にはできないと思えるので、ふたりにはすごく刺激をもらっていますね。 マラソンはやめられない もともと私は、いろんなことを始めても、すぐにやめるタイプでした。ブルースハープとか手軽にやれそうだと思ったけど、すぐに辞めましたし、色鉛筆で筆画をしようと揃えたけど、すぐに使わなくなりました(苦笑)。テニスはなんとなくつづけていますが、マラソンはちゃんとつづけられています。ここ2年間は、人生で一番走ったし、頑張りましたが、これからも走り続けて、いつかサブ3.5を達成できたらいいなと思います。
刺激になり、心強い同世代の仲間
RRC member interview text:Shun Sato 第7クール Bチーム(目標:サブ3.5)MVP 野崎七菜子さん 7年ぶりのPB更新 つくばマラソンでの3時間34分16秒は、7年ぶりのPB更新でした。 前のPBは、まぐれで1本出たみたいな感じで、それからも走るのを続けていたのですが、タイムが伸びず、そのうちコロナでステイホームになり、走るのが嫌になったんです。その後、気持ちを切り替えてRETO に入ったのですが、まずはサブ4を目標にスタートしました。昨年の3月の板橋シティマラソンで3時間40分(3時間39分02秒)を切り、今回、35分を切れたので、ようやく先(サブ3.5)が見えてきたので、うれしかったですね。 家族と仲間のサポート つくばの時は、直前まで足の調子が悪く、トンさん(夫・野崎稔雄さん)がインフルエンザになったのでやめようかなと思っていました。でも、なんとか熱が下がって、トンさんのご両親がつくば駅に迎えにきてくれて、スタート場所まで送ってくれたんです。レースでは最後、陽平(成相)さんが並走してくれて、それが大きかったなぁと思います(笑)。 トンさんのやさしさ 練習は、月間走行距離でいうと平均250~300キロぐらいでした。基本的にスピード練習が嫌いで長い距離を淡々と走っているのが好きです。家では、たまにトンさんに練習をサポートしてもらっています。トンさんは週末に30キロを走るのですが、最初の15キロを私のMペースで一緒に走ってもらったり、聖也さんのトレーニングメニューのスピード練習や練習会でできなかったメニューをもう1回やる時は、トンさんに引っ張ってもらっています。 休むことへの不安 最近は、追い込んだり、走る距離が増えてきていることもあって、足が痛くなることが増えてきました。これまで怪我で休むことがほとんどなかったので、「1週間休んでください」と病院の先生に言われると不安になってしまうんです。正直、年齢的なものもあって、焦りがあるのかなと思います。これから練習会でなんとか練習をこなしても、たぶんみんなと同じようには伸びていかないと思うんです。維持するのも大変だと思うので、練習しないと、どんどん落ちていくみたいな恐怖感が大きいんです。だから、「ちょっと痛いぐらいなら大丈夫」と思って走るのですが、最近はみんなに「やめな!」と止められています(苦笑)。 同世代の女子たち RETOは、年齢層の幅が広いのがいいなと思っています。たぶん、伸び盛りの若手ばかりの中に一人でいたら、ちょっと居づらくなると思うんです。でも、私と同世代の女子がいるので同じような悩みやいろんなことをストレートに話ができるので、とっても心強いですし、刺激にもなります。特にゆうこりん(長谷部裕子さん)は頑張って、どんどん速くなっていくので、自分もがんばろうという気持ちにさせてくれますし、チェリーさん(桜井徹哉さん)の頑張りを見ていると年齢を言い訳にはできないと思えるので、ふたりにはすごく刺激をもらっていますね。 マラソンはやめられない もともと私は、いろんなことを始めても、すぐにやめるタイプでした。ブルースハープとか手軽にやれそうだと思ったけど、すぐに辞めましたし、色鉛筆で筆画をしようと揃えたけど、すぐに使わなくなりました(苦笑)。テニスはなんとなくつづけていますが、マラソンはちゃんとつづけられています。ここ2年間は、人生で一番走ったし、頑張りましたが、これからも走り続けて、いつかサブ3.5を達成できたらいいなと思います。

気楽にいこうぜ、という風も好き
RRC member interview text:Shun Sato 第7クール Cチーム(目標:サブ4)MVP 川崎菜月さん マラソン後半の不安 東北・みやぎ復興マラソンは、サブ4(3時間56分37秒)を達成できたのですが、本当に苦しいレースでした。 暑くて苦しかった道マラ(北海道マラソン)を終えた後、涼しくなってようやく走れるようになり、9月と10月は月間で100キロを超え、体には何も不安がない状態でレースに臨めました。ただ、私の場合、マラソンを走ると後半に胃腸のトラブルが起こって、猛烈な吐き気がこみ上げてくるんです。過去のレースでも同じことが起きて、道マラでも途中から歩くだけになってしまいました。普段は胃が弱いとか感じたことはないんですけど、マラソンの後半になると、その症状が出てしまうんです。 エネルギー摂取ができない 今回もいつ出るのか、ちょっと心配しながらのスタートになったんですが、32キロ付近で症状が出て、給水で水を飲んだだけで吐いてしまいました。本当は、そこから最後、ジェルとかを採って踏ん張っていかないといけないのですが、体が水分を受け付けず、エネルギーが枯渇した状態になっていました。 支えてくれた声 本当に苦しくて、でも、そこで足を止めずに、35キロ以降、なんとか持ちこたえられたのは、ゆうこりん(長谷部裕子さん)のおかげです。もうそれ以外、走り切れた要因はないですね(苦笑)。あそこで引っ張ってもらえていなかったらきっと歩いていたと思います。引っ張って、声をかけてもらうことが、どれだけ自分のエネルギーになるのか実感しました。 新たなスイッチ みやぎでサブ4を達成した後は、燃え尽きた感がありました。レース自体すごくつらかったので、その上のタイムを狙う気持ちになれなくて、「現状維持でいいや」と思ったのです。でも、湘南国際マラソンに応援しに行った時、みんなが頑張って走っている姿を見て、シンプルにタイムを出している人は「カッコ良いな」と思いました。自分のなかで別のスイッチが入った感じでしたね。その後、CチームからBチームの練習に入りました。スピード系の練習メニューをやり切った時、「意外と私、出来るんだ。もうちょっと頑張って上のタイム(3時間40分)を狙ってみよう」と改めて、そう思ったんです(名古屋ウィメンズ3時間39分40秒で達成)。 苦手な長距離を走るために 練習の姿勢も変わったと言いたいですけど、淡々と長い距離を走るのが苦手なのは変わっていないです。一人で走る時は、「ここのラーメン屋さんに行くために走ろう」とか、「このアルバム1枚を聴き終わるまで帰ってこないぞ」とか、飽きないように工夫して走っています。この練習をやらなきゃというよりも気分次第で、いまだに自己流なのも変わっていません。本当は聖也さんから提示されるメニューをやった方がいいんですけど、見てなくてマジで申し訳ないです(苦笑)。長い距離になればなるほど一人では難しいので、タムケン練やメンバーの自主練にお世話になっています。 マラソンへの向き合い方 RETOは、このタイムに近づきたいとか、強度の高い練習をしたい時、いつでもその扉が開かれているというか、誰かがサポーターになってくれるという安心感があります。私は、そこに甘えてばかりで申し訳ないですが、自分が応援されている実感があるからこそ、メンバーの応援にも自然と気持ちが入りますね。私は、マイペースでゆるいキャラクターですし、自己採点もかなり甘く、「自分、よく頑張ったなぁ」とすぐ満足しちゃうタイプ。RETOのみんなは、すごく自分に厳しくて、目標達成にストイックじゃないですか。すごいなっていつも驚かされますが、私は「気楽にいこうぜ」みたいな風も好きなんです。ランニングは「ゆるく付き合いつつ、やる気になったときはやる」みたいなスタイルで引き続きやっていきたいと思います(笑)。
気楽にいこうぜ、という風も好き
RRC member interview text:Shun Sato 第7クール Cチーム(目標:サブ4)MVP 川崎菜月さん マラソン後半の不安 東北・みやぎ復興マラソンは、サブ4(3時間56分37秒)を達成できたのですが、本当に苦しいレースでした。 暑くて苦しかった道マラ(北海道マラソン)を終えた後、涼しくなってようやく走れるようになり、9月と10月は月間で100キロを超え、体には何も不安がない状態でレースに臨めました。ただ、私の場合、マラソンを走ると後半に胃腸のトラブルが起こって、猛烈な吐き気がこみ上げてくるんです。過去のレースでも同じことが起きて、道マラでも途中から歩くだけになってしまいました。普段は胃が弱いとか感じたことはないんですけど、マラソンの後半になると、その症状が出てしまうんです。 エネルギー摂取ができない 今回もいつ出るのか、ちょっと心配しながらのスタートになったんですが、32キロ付近で症状が出て、給水で水を飲んだだけで吐いてしまいました。本当は、そこから最後、ジェルとかを採って踏ん張っていかないといけないのですが、体が水分を受け付けず、エネルギーが枯渇した状態になっていました。 支えてくれた声 本当に苦しくて、でも、そこで足を止めずに、35キロ以降、なんとか持ちこたえられたのは、ゆうこりん(長谷部裕子さん)のおかげです。もうそれ以外、走り切れた要因はないですね(苦笑)。あそこで引っ張ってもらえていなかったらきっと歩いていたと思います。引っ張って、声をかけてもらうことが、どれだけ自分のエネルギーになるのか実感しました。 新たなスイッチ みやぎでサブ4を達成した後は、燃え尽きた感がありました。レース自体すごくつらかったので、その上のタイムを狙う気持ちになれなくて、「現状維持でいいや」と思ったのです。でも、湘南国際マラソンに応援しに行った時、みんなが頑張って走っている姿を見て、シンプルにタイムを出している人は「カッコ良いな」と思いました。自分のなかで別のスイッチが入った感じでしたね。その後、CチームからBチームの練習に入りました。スピード系の練習メニューをやり切った時、「意外と私、出来るんだ。もうちょっと頑張って上のタイム(3時間40分)を狙ってみよう」と改めて、そう思ったんです(名古屋ウィメンズ3時間39分40秒で達成)。 苦手な長距離を走るために 練習の姿勢も変わったと言いたいですけど、淡々と長い距離を走るのが苦手なのは変わっていないです。一人で走る時は、「ここのラーメン屋さんに行くために走ろう」とか、「このアルバム1枚を聴き終わるまで帰ってこないぞ」とか、飽きないように工夫して走っています。この練習をやらなきゃというよりも気分次第で、いまだに自己流なのも変わっていません。本当は聖也さんから提示されるメニューをやった方がいいんですけど、見てなくてマジで申し訳ないです(苦笑)。長い距離になればなるほど一人では難しいので、タムケン練やメンバーの自主練にお世話になっています。 マラソンへの向き合い方 RETOは、このタイムに近づきたいとか、強度の高い練習をしたい時、いつでもその扉が開かれているというか、誰かがサポーターになってくれるという安心感があります。私は、そこに甘えてばかりで申し訳ないですが、自分が応援されている実感があるからこそ、メンバーの応援にも自然と気持ちが入りますね。私は、マイペースでゆるいキャラクターですし、自己採点もかなり甘く、「自分、よく頑張ったなぁ」とすぐ満足しちゃうタイプ。RETOのみんなは、すごく自分に厳しくて、目標達成にストイックじゃないですか。すごいなっていつも驚かされますが、私は「気楽にいこうぜ」みたいな風も好きなんです。ランニングは「ゆるく付き合いつつ、やる気になったときはやる」みたいなスタイルで引き続きやっていきたいと思います(笑)。

RETO RUNNING CLUBでは第9クールのメンバーを募集します
RETOが主宰するRETO RUNNING CLUBでは、第9クールとなる2024年5月から2024年7月のメンバーを募集します。 クラブの合言葉は「Challenge is success」(挑戦は成功だ)。クラブ活動を通じて「目標達成をサポートすること」と「メンバーの人生を豊かにできるコミュニティであること」を理念に掲げて運営しています。 月2回の公式練習会や定期的に開催している合宿、専門家によるオンライン講習に加え、メンバーによる自主練習会も開催されています。マラソンで目標を達成し、さらに充実したライフスタイルをおくりたい方のご応募をお待ちしています。 ■申込みリンクhttps://forms.gle/TFGGwa89WKvmrTzNA ■第9クールスケジュール☆公式練習会2024年5月7日(火)2024年5月20日(月)2024年6月3日(月)2024年6月17日(月)2024年7月1日(月)2024年7月22日(月) ※練習時間は、19時30分~21時頃を予定※練習場所は、基本的に皇居(二重橋周辺)で行います ☆合宿6月8日(土)〜9日(日)※参加する場合、費用は別途お支払い頂きます。 ☆個別練習会5月11日(土)トレイル5月24日(金)6月13日(木)6月29日(土)トレイル7月11日(木)7月27日(土)※現役のトレイルランナーである田村コーチによる練習会です※参加される場合は別途費用がかかります ☆オンラインセッション走るために必要な知識を学ぶ講座やフィジカルトレーニングを行うオンラインセッションを実施します。過去のアーカイブも視聴できます。 ■費用¥27,000(税込)※第9クール期間(2024年5月~2024年7月)分※お支払い方法は当選者にご連絡いたします ■募集クラスA+:sub2:50/A1:sub3:00/A2:sub3:10/B+:sub3:20/B:sub3:30/C:sub4:00※練習会では各チームのフルマラソン目標に沿ったトレーニングを実施いたします。 ■募集期間2024年4月21日(日)迄選考結果:応募締切後、コーチによるセレクションを行い、事務局より4月中に選考結果を連絡いたします。 お問い合わせ:RETO RUNNING CLUB事務局/info@reto-sports.jp頂いた情報はRETO RUNNING CLUBの選考と運営以外には一切使用しません。
RETO RUNNING CLUBでは第9クールのメンバーを募集します
RETOが主宰するRETO RUNNING CLUBでは、第9クールとなる2024年5月から2024年7月のメンバーを募集します。 クラブの合言葉は「Challenge is success」(挑戦は成功だ)。クラブ活動を通じて「目標達成をサポートすること」と「メンバーの人生を豊かにできるコミュニティであること」を理念に掲げて運営しています。 月2回の公式練習会や定期的に開催している合宿、専門家によるオンライン講習に加え、メンバーによる自主練習会も開催されています。マラソンで目標を達成し、さらに充実したライフスタイルをおくりたい方のご応募をお待ちしています。 ■申込みリンクhttps://forms.gle/TFGGwa89WKvmrTzNA ■第9クールスケジュール☆公式練習会2024年5月7日(火)2024年5月20日(月)2024年6月3日(月)2024年6月17日(月)2024年7月1日(月)2024年7月22日(月) ※練習時間は、19時30分~21時頃を予定※練習場所は、基本的に皇居(二重橋周辺)で行います ☆合宿6月8日(土)〜9日(日)※参加する場合、費用は別途お支払い頂きます。 ☆個別練習会5月11日(土)トレイル5月24日(金)6月13日(木)6月29日(土)トレイル7月11日(木)7月27日(土)※現役のトレイルランナーである田村コーチによる練習会です※参加される場合は別途費用がかかります ☆オンラインセッション走るために必要な知識を学ぶ講座やフィジカルトレーニングを行うオンラインセッションを実施します。過去のアーカイブも視聴できます。 ■費用¥27,000(税込)※第9クール期間(2024年5月~2024年7月)分※お支払い方法は当選者にご連絡いたします ■募集クラスA+:sub2:50/A1:sub3:00/A2:sub3:10/B+:sub3:20/B:sub3:30/C:sub4:00※練習会では各チームのフルマラソン目標に沿ったトレーニングを実施いたします。 ■募集期間2024年4月21日(日)迄選考結果:応募締切後、コーチによるセレクションを行い、事務局より4月中に選考結果を連絡いたします。 お問い合わせ:RETO RUNNING CLUB事務局/info@reto-sports.jp頂いた情報はRETO RUNNING CLUBの選考と運営以外には一切使用しません。

「血液検査で自分を知る」 ~パーフォーマンス低下の原因、欝発症、そして復帰へ~
Text: Shun Sato RUNNERS MEDICAL REPORT マラソン、陸上長距離などの持久系種目では、ケガだけでなく、貧血などの内科的疾患のリスクも高く、実業団に所属するエリート選手や高校、大学で本格的に競技に取り組んでいる選手は、定期的に血液検査を行っていることが多い。だるさ、息切れ、記録が伸びないなどの自覚症状が出て、ヘモグロビンなどの採血項目で数値に異常が出た場合、それを改善することで体調やスポーツパフォーマンスの回復に結びつけることができるからだ。 市民ランナーも体調が思わしくなくなったり、思うように走れないと悩んだ時、血液検査を受けることで見えない何かを明確にしてくれるので、実際に受けている人が多い。RETO RUNNING CLUBのAさんも血液検査によって、パフォーマンス低下の原因が分かった。 感じたパフォーマンスの低下 Aさんが体に異変を感じたのは、2023年6月だった。 練習中にいきなり足が攣ったり、今までこなせていた練習に体がついていかなくなった。その後、ハーフマラソンのレースに出場したが、体が動かなくなり、14キロで途中棄権した。 「DNFした時は、暑いのに体が慣れていないから動かないのかなぁと思ったんです。でも、7月に入って暑くなるとさらに体が重く、まったくペースを上げられなくなって、もうめちゃくちゃ頑張らないと長く、速く走れないんです。4分10秒のペースはそれまでキツくなかったんですけど、それが苦しくてパフォーマンスが上がらない。『貧血じゃない?1回(血液検査に)行ってみたら』とメンバーにいわれて、8月に初めて血液検査を受けたんです」 田畑尚吾先生の田畑クリニックで血液検査を受けた結果、ヘモグロビンの数値に異常はなく、貧血ではないことが判明した。フェリチンも血清鉄も基準値で問題なかった。田畑先生が指摘したのは、男性の市民ランナーにわりと低い数値が見られるという、ある項目だった。 「Aさんの血液検査で基準値により低い数値が出たのは、テストステロンでした」(田畑先生) 聞きなれない言葉だが、テストステロンとは、男性生殖組織の発達に重要な役割を果たすと共に、筋肉や骨量の増加、体毛の成長などの二次性徴を促進する男性ホルモンで、造血ホルモンでもあるため、低下すると貧血の要因にも成り得る。 テストステロン低下の症状 テストステロンはなぜ低下し、その際、どんな症状が生じるのか。 「成人男性では、女性の妊娠・出産や、閉経前後のように、性ホルモンが急激に変化するステージはないものの、20代以降、テストステロンが徐々に低下します。低下の時期やスピードには個人差があり、早ければ30代でもテストステロン低下による更年期症状(男性機能の低下、抑うつ、睡眠障害、易疲労感など)をきたすケースもあります。また、近年では、加齢のみならず、持久系スポーツをしすぎることにより、運動性のテストステロン低下が生じることも明らかになっています。Aさんは30代で、比較的若年ではありましたが、マラソンをされているということでしたので、まずはオーバーワークによる運動性ストレスが考えられました。さらに仕事による精神的なストレスも加わり、テストステロンの数値が下がってしまった可能性があります。その結果、テストステロン低下症になり、運動のパフォーマンスが落ちたりします。また、テストステロンが低い状態が続くと、造血が障害されるリスクがあるので、貧血リスクとなりますし、男性更年期と同様、体のだるさ、睡眠障害、メタボになりやすくになったりします」(田畑先生) ランニングや日常生活での制限 日本人男性では、遊離テストステロンを測定することが推奨されており、遊離テストステロンの基準値は、11.8pg/ml以上である。遊離テストステロンが8.5pg/ml未満では男性更年期が疑われるレベルだが、Aさんの検査時の数値は8.4pg/mlだった。運動でテストステロンが低下するメカニズムは現時点で明確化されていないが、ストレスにコルチゾールなどのホルモンの乱れ、運動による精巣へのメカニカルストレス、エネルギー不足などが関与していると考えられている。数値を改善していくために田畑先生からは、ランニングや日常生活について、いくつか制限すべきことを伝えられた。 「先生からは、運動ストレスを軽減するため、ランニングの追い込む練習、ポイント練習など強度が高いメニューを控えること。通常、適度なスポーツ活動はテストステロンを上昇させるため、ランニングをやめるのではなく、負荷を落とし、ジョグ程度のランは続けても良いとアドバイスをいただきました。それで様子を見て、改善しない場合、精神的なストレスが影響している可能性が高いのでメンタルケアをしながらホルモン補充療法を開始する方向で考えていきましょうということになりました」 悪化する症状 Aさんは、その後、ポイント練習をやめ、ジョグ主体に切り替えた。メンバーが強度の高い練習をこなして状態を上げ、レースに向かっていく姿を見ていると、走れないもどかしさを感じるようになった。焦る気持ちがよりストレスになったのか。運動時だけではなく、自宅にいてもめまいや冷や汗をかいたり、体のだるさを感じるようになった。 「徐々にいろんなことが悪化していくような気がしました」 9月の練習会に参加した時、ジョグすらできず、体が動かせなくなった。運動性ではなく、精神的なストレスの影響が大きいと感じ、心療内科のドアを叩いた。その際、以前の血液検査の結果を見せると、「テストステロンの数値が低下しているので、その治療をスタートした方がいい」と言われた。仕事も「お休みした方がいい」と言われ、診断書をもらい、会社に提出した。 再度、現状を確認しようと最初の検査から1か月後、血液検査を受けた。遊離テストステロンの数値は、前回の8.4pg/mlから7.8pg/mlに落ちていた。 「数値が落ちてきているので、ホルモン補充療法を開始しましょう」 田畑先生から、そう言われた。...
「血液検査で自分を知る」 ~パーフォーマンス低下の原因、欝発症、そして復帰へ~
Text: Shun Sato RUNNERS MEDICAL REPORT マラソン、陸上長距離などの持久系種目では、ケガだけでなく、貧血などの内科的疾患のリスクも高く、実業団に所属するエリート選手や高校、大学で本格的に競技に取り組んでいる選手は、定期的に血液検査を行っていることが多い。だるさ、息切れ、記録が伸びないなどの自覚症状が出て、ヘモグロビンなどの採血項目で数値に異常が出た場合、それを改善することで体調やスポーツパフォーマンスの回復に結びつけることができるからだ。 市民ランナーも体調が思わしくなくなったり、思うように走れないと悩んだ時、血液検査を受けることで見えない何かを明確にしてくれるので、実際に受けている人が多い。RETO RUNNING CLUBのAさんも血液検査によって、パフォーマンス低下の原因が分かった。 感じたパフォーマンスの低下 Aさんが体に異変を感じたのは、2023年6月だった。 練習中にいきなり足が攣ったり、今までこなせていた練習に体がついていかなくなった。その後、ハーフマラソンのレースに出場したが、体が動かなくなり、14キロで途中棄権した。 「DNFした時は、暑いのに体が慣れていないから動かないのかなぁと思ったんです。でも、7月に入って暑くなるとさらに体が重く、まったくペースを上げられなくなって、もうめちゃくちゃ頑張らないと長く、速く走れないんです。4分10秒のペースはそれまでキツくなかったんですけど、それが苦しくてパフォーマンスが上がらない。『貧血じゃない?1回(血液検査に)行ってみたら』とメンバーにいわれて、8月に初めて血液検査を受けたんです」 田畑尚吾先生の田畑クリニックで血液検査を受けた結果、ヘモグロビンの数値に異常はなく、貧血ではないことが判明した。フェリチンも血清鉄も基準値で問題なかった。田畑先生が指摘したのは、男性の市民ランナーにわりと低い数値が見られるという、ある項目だった。 「Aさんの血液検査で基準値により低い数値が出たのは、テストステロンでした」(田畑先生) 聞きなれない言葉だが、テストステロンとは、男性生殖組織の発達に重要な役割を果たすと共に、筋肉や骨量の増加、体毛の成長などの二次性徴を促進する男性ホルモンで、造血ホルモンでもあるため、低下すると貧血の要因にも成り得る。 テストステロン低下の症状 テストステロンはなぜ低下し、その際、どんな症状が生じるのか。 「成人男性では、女性の妊娠・出産や、閉経前後のように、性ホルモンが急激に変化するステージはないものの、20代以降、テストステロンが徐々に低下します。低下の時期やスピードには個人差があり、早ければ30代でもテストステロン低下による更年期症状(男性機能の低下、抑うつ、睡眠障害、易疲労感など)をきたすケースもあります。また、近年では、加齢のみならず、持久系スポーツをしすぎることにより、運動性のテストステロン低下が生じることも明らかになっています。Aさんは30代で、比較的若年ではありましたが、マラソンをされているということでしたので、まずはオーバーワークによる運動性ストレスが考えられました。さらに仕事による精神的なストレスも加わり、テストステロンの数値が下がってしまった可能性があります。その結果、テストステロン低下症になり、運動のパフォーマンスが落ちたりします。また、テストステロンが低い状態が続くと、造血が障害されるリスクがあるので、貧血リスクとなりますし、男性更年期と同様、体のだるさ、睡眠障害、メタボになりやすくになったりします」(田畑先生) ランニングや日常生活での制限 日本人男性では、遊離テストステロンを測定することが推奨されており、遊離テストステロンの基準値は、11.8pg/ml以上である。遊離テストステロンが8.5pg/ml未満では男性更年期が疑われるレベルだが、Aさんの検査時の数値は8.4pg/mlだった。運動でテストステロンが低下するメカニズムは現時点で明確化されていないが、ストレスにコルチゾールなどのホルモンの乱れ、運動による精巣へのメカニカルストレス、エネルギー不足などが関与していると考えられている。数値を改善していくために田畑先生からは、ランニングや日常生活について、いくつか制限すべきことを伝えられた。 「先生からは、運動ストレスを軽減するため、ランニングの追い込む練習、ポイント練習など強度が高いメニューを控えること。通常、適度なスポーツ活動はテストステロンを上昇させるため、ランニングをやめるのではなく、負荷を落とし、ジョグ程度のランは続けても良いとアドバイスをいただきました。それで様子を見て、改善しない場合、精神的なストレスが影響している可能性が高いのでメンタルケアをしながらホルモン補充療法を開始する方向で考えていきましょうということになりました」 悪化する症状 Aさんは、その後、ポイント練習をやめ、ジョグ主体に切り替えた。メンバーが強度の高い練習をこなして状態を上げ、レースに向かっていく姿を見ていると、走れないもどかしさを感じるようになった。焦る気持ちがよりストレスになったのか。運動時だけではなく、自宅にいてもめまいや冷や汗をかいたり、体のだるさを感じるようになった。 「徐々にいろんなことが悪化していくような気がしました」 9月の練習会に参加した時、ジョグすらできず、体が動かせなくなった。運動性ではなく、精神的なストレスの影響が大きいと感じ、心療内科のドアを叩いた。その際、以前の血液検査の結果を見せると、「テストステロンの数値が低下しているので、その治療をスタートした方がいい」と言われた。仕事も「お休みした方がいい」と言われ、診断書をもらい、会社に提出した。 再度、現状を確認しようと最初の検査から1か月後、血液検査を受けた。遊離テストステロンの数値は、前回の8.4pg/mlから7.8pg/mlに落ちていた。 「数値が落ちてきているので、ホルモン補充療法を開始しましょう」 田畑先生から、そう言われた。...

「何回もRETOをやめようと思いました」~サブ4達成、怪我からの復活430日間の戦い~
RUNNERS REAL STORY Vol.1 田中智子さん Text: shun sato モートン病発症 田中智子さんが足の指の付け根に異変を感じたのは、2022年7月だった。 最初は、違和感だけで、そのうち治るかなと楽観視していたが、9月のRETO合宿に参加すると痛みで走れず、別メニューで過ごした。 その後、普通に歩いているだけでズキズキという痛みが出て、走るどころではなくなった。10月、神野大地に相談すると、「僕が過去に経験したのと同じ症状ですね」と語り、鳥居俊先生(整形外科医)を紹介してもらった。そこで診察を受け、告げられた病名は聞いたことがないものだった。 「モートン病です」 モートン病とは、足の裏や足趾(そくし)の付け根に痛みを生じる病気だ。足趾の付け根から指先にかけて向かう神経が、足趾の付け根の部位で慢性的に圧迫されることで発症する。モートン病の発症の要因は、ヒールなど先の細い靴を履き続けたり、外反母趾など骨の形状異常が見られる人に多いが、智子さんはまさに外反母趾で苦しんでいた。 担当医からの厳しい宣告 しかも、この時、鳥居先生からは厳しい宣告を受けた 「基本的には治らないです。病気と共存していくことで走れるようになれるので、まずは注射を打ちながら様子を見ていきましょう」 注射は、痛みに応じて液剤の量を調整し、2週間ごとに打ち、治療を進めていった。しかし、1ヶ月過ぎても好転せず、2ヶ月、3ヶ月と過ぎても一向によくならなかった。足の痛みが80%ぐらいあるとすると、注射を打ち2、3日は50%ぐらいに痛みが低下する。でも、1週間ほど経過し、歩いていると、また80%に戻ってしまう 「歩くと痛みが出るので、まだまだなぁって思うと溜息が出ました。このくらいで治りますというのが見えないですし、RETOに戻れるかどうかも分からない。本当に走れる日が来るのかな。もう走れないんじゃないかなと思うと、このままRETOに入っている意味あるのかなぁとか、いろんなことを考えてしまいました」 RETOをやめるか否か 2023年に入り、マラソンシーズンになるとRETOのメンバーが自己ベストを次々と更新していった。Facebookに、マラソンで結果を出した投稿を見ていると、眩しく、羨ましく思い、なぜ自分は走れないのだろうと足を呪った。 「こんなにつらいならいっそRETOをやめようかな」 何度も、そう思った。 智子さんにとって走ることは大好きなことであり、人生にとって欠かせないものだった。その走ることができなければ、走ること以外の興味のあることや取り組みたいことに時間を費やしていこうかなとも考えた。 「でも、RETOにいる以上、走ることが仕事の次いで私の優先すべきことなので、それを取っ払ったら楽になるのかなと思いましたが、それはできかったです」 仲間と神野の支え それは、走ることが好きで、復帰への強い思いがあったからだが、同時に治療している中、寄り添ってくれた仲間の存在が大きかったからだ。状態が好転しないなか、RETOのメンバーである星綾子さん、野崎七菜子さん、長谷部裕子さんと都内で会って、話をする時間は単純に楽しくもあり、自分がチームの一員であることを思い起こさせてくれる時間でもあった。 「私は、治療している間、練習会に出ていないので、誰とも会っていなかったんです。そんな時、4人で一緒に会う機会を作ってくれて。その時、『待っているよ』とか、『頑張って』とかではなく、私の心が晴れない日々の話をただ聞いてくれて‥‥それはすごくありがたかったです」 神野の声も智子さんの支えになった。 「先生を紹介してくださった後も神野さんは何回か連絡をくださって、治療の結果とか相談させていただきました。『治らない病気はないから待っています』と、声をかけていただいたり、ほんと支えていただきました」...
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