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RETOメニューが成長の源です
RRC member interview Text: shun sato A1チーム(目標:フルマラソンsub 3時間00分)第6クールMVPに選ばれた市川貴洋さん 最後まで諦めなかった北海道マラソン 自己ベストを更新したわけでもない中、シーズンMVPをいただいて、なんか恐縮です(苦笑)。 北海道マラソンは、後半、ペースが落ちてかなり苦しい展開になったんですけど、個人的には大きな経験になりました。道マラの位置づけは、秋冬に向けた距離走として、つっちー(土本優作さん)とペースを守って走ることをテーマにしていました。暑くて苦しい中でも、みなさんの励ましやつっちーのサポートもあって最後まで諦めずに走れたことが今、マラソンでキツイ時や辛い時も耐えられる力に繋がっています。 月間300キロがノルマ 夏に入って練習で自分なりに意識したのは、月間300キロ以上走るということでした。それは、チームのメンバーやいろんな人からサブ3を達成するには、そのくらいの距離が必要だというのを聞いて、自分でも納得したからです。それを7月からスタートして、月に数回は25キロやハーフの距離走を行うことを自分に課していました。 単独でのスピード練の効果 また、朝には直線で1キロぐらい取れる目黒川沿いでスピード練習をしていました。そのおかげで、RETOの練習会でのクルーズインターバルで3分50秒の設定が最初はきついなって思っていたんですけど、今はわりとラクに走れているので、練習の成果から心肺機能と走力が上がってきたんだなと手応えがあります。手賀沼ハーフでは自分の力をコントロールして走れるようになり、PB(1時間26分39秒)を出せましたし、それが自信にも繋がっています。 愚直にRETOメニューをこなす あと、特に強く意識したのは聖也さんが作成した練習メニューを全部、その通りにこなすということでした。仕事や子育ても忙しく、時間的にいろんな練習会に行く余裕があまりありません。聖也さんはサブ3を達成するためのメニューを考えてくださっているので、その練習に集中して取り組みました。僕はジョグ以外、聖也さんのメニューしかしてこなかったですが、走力が確実に上がっていきました。これからもRETOのメニューを愚直にこなして目標のサブ3を達成したいと思っています。
RETOメニューが成長の源です
RRC member interview Text: shun sato A1チーム(目標:フルマラソンsub 3時間00分)第6クールMVPに選ばれた市川貴洋さん 最後まで諦めなかった北海道マラソン 自己ベストを更新したわけでもない中、シーズンMVPをいただいて、なんか恐縮です(苦笑)。 北海道マラソンは、後半、ペースが落ちてかなり苦しい展開になったんですけど、個人的には大きな経験になりました。道マラの位置づけは、秋冬に向けた距離走として、つっちー(土本優作さん)とペースを守って走ることをテーマにしていました。暑くて苦しい中でも、みなさんの励ましやつっちーのサポートもあって最後まで諦めずに走れたことが今、マラソンでキツイ時や辛い時も耐えられる力に繋がっています。 月間300キロがノルマ 夏に入って練習で自分なりに意識したのは、月間300キロ以上走るということでした。それは、チームのメンバーやいろんな人からサブ3を達成するには、そのくらいの距離が必要だというのを聞いて、自分でも納得したからです。それを7月からスタートして、月に数回は25キロやハーフの距離走を行うことを自分に課していました。 単独でのスピード練の効果 また、朝には直線で1キロぐらい取れる目黒川沿いでスピード練習をしていました。そのおかげで、RETOの練習会でのクルーズインターバルで3分50秒の設定が最初はきついなって思っていたんですけど、今はわりとラクに走れているので、練習の成果から心肺機能と走力が上がってきたんだなと手応えがあります。手賀沼ハーフでは自分の力をコントロールして走れるようになり、PB(1時間26分39秒)を出せましたし、それが自信にも繋がっています。 愚直にRETOメニューをこなす あと、特に強く意識したのは聖也さんが作成した練習メニューを全部、その通りにこなすということでした。仕事や子育ても忙しく、時間的にいろんな練習会に行く余裕があまりありません。聖也さんはサブ3を達成するためのメニューを考えてくださっているので、その練習に集中して取り組みました。僕はジョグ以外、聖也さんのメニューしかしてこなかったですが、走力が確実に上がっていきました。これからもRETOのメニューを愚直にこなして目標のサブ3を達成したいと思っています。
RETO RUNNING CLUBでは第8クールのメンバーを募集します
RETOが主宰するRETO RUNNING CLUBでは、第8クールとなる2024年2月から2024年4月のメンバーを募集します。 クラブの合言葉は「Challenge is success」(挑戦は成功だ)。クラブ活動を通じて「目標達成をサポートすること」と「メンバーの人生を豊かにできるコミュニティであること」を理念に掲げて運営しています。 月2回の公式練習会、合宿、専門家によるオンライン講習に加え、メンバーによる自主練習会も定期的に開催されています。マラソンで目標を達成し、さらに充実したライフスタイルをおくりたい方のご応募をお待ちしています。 ◎申込リンクhttps://forms.gle/BGM64Kjyhnc6mnE28 募集クラス: A+:sub2:50/A1:sub3:00/A2:sub3:10/B:sub3:20/B+:sub3:30/C:sub4:00参加費用: ¥27,000(税込)※第8クール期間(2024年2月~2024年4月)分応募期間: 2024年1月24日(水)迄選考結果: 応募締切後、コーチによるセレクションを行い、事務局より選考結果を連絡します。(2024年2月1日頃に連絡予定) 【第8クール日程】★公式練習会2024年2月13日(火)2024年2月26日(月)2024年3月11日(月)2024年3月25日(月)2024年4月8日(月)2024年4月22日(月)2024年4月29日(月)昭和の日(RETOイベント)※練習時間は19時30分~21時頃を予定※練習場所は基本的には皇居(二重橋周辺) ★オンライン講座zoomを用いたオンライン講座を定期的に実施いたします ★個別練習会(通称:タムケン練)2024年2月10日(土)距離走(皇居)2024年2月16日(金)スピード(織田フィ)2024年3月16日(土)距離走(駒澤)2024年3月22日(金)スピード(二重橋)2024年4月6日(土)距離走(皇居)2024年4月19日(金)スピード(織田フィ)※参加される場合は別途費用(2,000円)がかかります ◎お問い合わせRRC運営事務局 / info@reto-sports.jp
RETO RUNNING CLUBでは第8クールのメンバーを募集します
RETOが主宰するRETO RUNNING CLUBでは、第8クールとなる2024年2月から2024年4月のメンバーを募集します。 クラブの合言葉は「Challenge is success」(挑戦は成功だ)。クラブ活動を通じて「目標達成をサポートすること」と「メンバーの人生を豊かにできるコミュニティであること」を理念に掲げて運営しています。 月2回の公式練習会、合宿、専門家によるオンライン講習に加え、メンバーによる自主練習会も定期的に開催されています。マラソンで目標を達成し、さらに充実したライフスタイルをおくりたい方のご応募をお待ちしています。 ◎申込リンクhttps://forms.gle/BGM64Kjyhnc6mnE28 募集クラス: A+:sub2:50/A1:sub3:00/A2:sub3:10/B:sub3:20/B+:sub3:30/C:sub4:00参加費用: ¥27,000(税込)※第8クール期間(2024年2月~2024年4月)分応募期間: 2024年1月24日(水)迄選考結果: 応募締切後、コーチによるセレクションを行い、事務局より選考結果を連絡します。(2024年2月1日頃に連絡予定) 【第8クール日程】★公式練習会2024年2月13日(火)2024年2月26日(月)2024年3月11日(月)2024年3月25日(月)2024年4月8日(月)2024年4月22日(月)2024年4月29日(月)昭和の日(RETOイベント)※練習時間は19時30分~21時頃を予定※練習場所は基本的には皇居(二重橋周辺) ★オンライン講座zoomを用いたオンライン講座を定期的に実施いたします ★個別練習会(通称:タムケン練)2024年2月10日(土)距離走(皇居)2024年2月16日(金)スピード(織田フィ)2024年3月16日(土)距離走(駒澤)2024年3月22日(金)スピード(二重橋)2024年4月6日(土)距離走(皇居)2024年4月19日(金)スピード(織田フィ)※参加される場合は別途費用(2,000円)がかかります ◎お問い合わせRRC運営事務局 / info@reto-sports.jp
チームとして臨み、楽しんだ「北海道マラソン2023」RETO RUNNING CLUB
Text: shun sato 北海道マラソンには、RETO RUNNING CULBから30名ものランナーが出走した。 夏のマラソンで、しかも場所は札幌。地方都市のマラソンに一つのチームからこれだけのメンバーがそろって出走するのは、なかなかないだろう。 北海道マラソン6日前の公式練習会にも出走者が多く参加した 今回は出走者だけではなく、応援とサポートで参加するメンバー、そしてメンバーの自己ベストを更新するためにペーサーとして参加したメンバーもいる。 土本優作さんは、市川貴洋さんのサポートをしながら走った。 「道マラにエントリーしたけど、自己ベストは出ないんで練習がてら自己ベストにチャレンジする人をサポートしようと思ったんです。自分は初めてだったんですけど、練習会での話やチャットで呼びかけをしたらイッチ―さんから『お願いします』と連絡があり、やることになりました」 メンバーのサポートを買って出た土本さん 市川さんは、土本さんのサポートは非常にありがたかったという。 レースでサポートの大きさを実感したのは、給水の時だった。これまで過剰に摂り過ぎたり、コップを取るのにスローダウンしたり、「給水は苦手」だった。土本さんは、最初の給水場での市川さんの対応を見て、そのことを理解した。 「給水で、最初の混んでいるところに取りにいったり、コップの持ち方も上から掴むんじゃなく、コップの中を持つ感じだったんです。それを見て、給水は僕がやった方がいいなと思いました」 2回目の給水場からは土本さんが水とスポーツドリンクを取って渡した。給水場に寄らずに走ればスピードロスと転倒などのアクシデントを避けられるからだ。 必要なジェルは、市川さん自身が保持していたが、土本さんはサポート組の小山内真紀さんに、15キロと35キロの個人エイドで経口補水ゼリーを渡してくれるようにお願いをしていた。 「マッキーさんがサポートしてくれたんですけど、そういうところでエイドを受けた時の走りって、少し変わりますからね。夏マラソンは塩分不足や脱水になると足がつってしまうんで」 市川さんの自己ベスト更新に向けてサポート体制は、万端だった。 土本さんにサポートをお願いした市川さん 15キロ地点で土本さんたちを待っていた小山内さんは、もともと道マラに出走予定だった。だが、本番5日前に目の異常を感じ、眼科医からも出走を止められたため、サポートに回った。 「サポートでも行こうと思ったのは、もともと走りたかった大会でしたし、30人もの大人数で行くのですごく楽しそうじゃないですか。練習会でみんな頑張っているのを見てきましたし、打ち上げもあるんで、応援でも十分楽しめるんじゃないかなと思っていくことにしました」 朝に札幌入りした小山内さんは、持参した凍った経口補水液に加え、駅近くのコンビニで氷などを仕入れ、タクシーで15キロのポイントに向かった。 レースでは予想外のことが起きていた。 15キロ地点で小山内さんを見つけると氷や経口補水液などを欲するメンバーが続出した。この日の札幌の気温は、スタート時点で約30度、湿度も高く、想像以上にランナーにダメージを与えていた。 「聖也さん(高木聖也コーチ)にゼリーを渡そうとしてうまく渡せなかったんですけど、引き返して獲りにきたんです。それで、聖也さんクラスでも相当きついんだなって思いました。みんなが来るのを待っていると体感的にそんなに暑さを感じなかったんですけど、ハマタカ(浜田享征)さんが歩いてきた時は衝撃的で、これは本当にヤバいなって思って、もう急いで氷を詰めました」 欠場したもののメンバーのサポートのために札幌へ駆けつけた小山内さん 袋に詰めた氷は、メンバーだけではなく、欲するランナーに提供していくと、あっという間になくなった。10キロ地点で、氷を配っていた小渕美和さんから「こっちに向かいます」というメッセージがあったので、氷を3袋、買い足してきてもらうように連絡をした。 「正直、あれだけの氷を15キロ地点で使い果たすとは思っていなかったです。昨年、函館マラソンを走った時、30度越えた暑さでのマラソンの苦しさって分かっているつもりだったんですが、メンバーが苦しそうに走っている姿を見ると改めて夏のマラソンの苛酷さを感じました」 小山内さんは、この後、15キロの反対車線の37キロ地点に移動しようとした。だが、当然だが、「渡れないよ」とボランティアや警察に言われた。レース後半になるとランナー間に隙間ができるようになり、警察の許可を取った上でランナーに紛れて走り、37キロ地点に移動し、小渕さんと合流した。小山内さんの機転の効いた対応が普段はできないコースの横断を可能にした。...
チームとして臨み、楽しんだ「北海道マラソン2023」RETO RUNNING CLUB
Text: shun sato 北海道マラソンには、RETO RUNNING CULBから30名ものランナーが出走した。 夏のマラソンで、しかも場所は札幌。地方都市のマラソンに一つのチームからこれだけのメンバーがそろって出走するのは、なかなかないだろう。 北海道マラソン6日前の公式練習会にも出走者が多く参加した 今回は出走者だけではなく、応援とサポートで参加するメンバー、そしてメンバーの自己ベストを更新するためにペーサーとして参加したメンバーもいる。 土本優作さんは、市川貴洋さんのサポートをしながら走った。 「道マラにエントリーしたけど、自己ベストは出ないんで練習がてら自己ベストにチャレンジする人をサポートしようと思ったんです。自分は初めてだったんですけど、練習会での話やチャットで呼びかけをしたらイッチ―さんから『お願いします』と連絡があり、やることになりました」 メンバーのサポートを買って出た土本さん 市川さんは、土本さんのサポートは非常にありがたかったという。 レースでサポートの大きさを実感したのは、給水の時だった。これまで過剰に摂り過ぎたり、コップを取るのにスローダウンしたり、「給水は苦手」だった。土本さんは、最初の給水場での市川さんの対応を見て、そのことを理解した。 「給水で、最初の混んでいるところに取りにいったり、コップの持ち方も上から掴むんじゃなく、コップの中を持つ感じだったんです。それを見て、給水は僕がやった方がいいなと思いました」 2回目の給水場からは土本さんが水とスポーツドリンクを取って渡した。給水場に寄らずに走ればスピードロスと転倒などのアクシデントを避けられるからだ。 必要なジェルは、市川さん自身が保持していたが、土本さんはサポート組の小山内真紀さんに、15キロと35キロの個人エイドで経口補水ゼリーを渡してくれるようにお願いをしていた。 「マッキーさんがサポートしてくれたんですけど、そういうところでエイドを受けた時の走りって、少し変わりますからね。夏マラソンは塩分不足や脱水になると足がつってしまうんで」 市川さんの自己ベスト更新に向けてサポート体制は、万端だった。 土本さんにサポートをお願いした市川さん 15キロ地点で土本さんたちを待っていた小山内さんは、もともと道マラに出走予定だった。だが、本番5日前に目の異常を感じ、眼科医からも出走を止められたため、サポートに回った。 「サポートでも行こうと思ったのは、もともと走りたかった大会でしたし、30人もの大人数で行くのですごく楽しそうじゃないですか。練習会でみんな頑張っているのを見てきましたし、打ち上げもあるんで、応援でも十分楽しめるんじゃないかなと思っていくことにしました」 朝に札幌入りした小山内さんは、持参した凍った経口補水液に加え、駅近くのコンビニで氷などを仕入れ、タクシーで15キロのポイントに向かった。 レースでは予想外のことが起きていた。 15キロ地点で小山内さんを見つけると氷や経口補水液などを欲するメンバーが続出した。この日の札幌の気温は、スタート時点で約30度、湿度も高く、想像以上にランナーにダメージを与えていた。 「聖也さん(高木聖也コーチ)にゼリーを渡そうとしてうまく渡せなかったんですけど、引き返して獲りにきたんです。それで、聖也さんクラスでも相当きついんだなって思いました。みんなが来るのを待っていると体感的にそんなに暑さを感じなかったんですけど、ハマタカ(浜田享征)さんが歩いてきた時は衝撃的で、これは本当にヤバいなって思って、もう急いで氷を詰めました」 欠場したもののメンバーのサポートのために札幌へ駆けつけた小山内さん 袋に詰めた氷は、メンバーだけではなく、欲するランナーに提供していくと、あっという間になくなった。10キロ地点で、氷を配っていた小渕美和さんから「こっちに向かいます」というメッセージがあったので、氷を3袋、買い足してきてもらうように連絡をした。 「正直、あれだけの氷を15キロ地点で使い果たすとは思っていなかったです。昨年、函館マラソンを走った時、30度越えた暑さでのマラソンの苦しさって分かっているつもりだったんですが、メンバーが苦しそうに走っている姿を見ると改めて夏のマラソンの苛酷さを感じました」 小山内さんは、この後、15キロの反対車線の37キロ地点に移動しようとした。だが、当然だが、「渡れないよ」とボランティアや警察に言われた。レース後半になるとランナー間に隙間ができるようになり、警察の許可を取った上でランナーに紛れて走り、37キロ地点に移動し、小渕さんと合流した。小山内さんの機転の効いた対応が普段はできないコースの横断を可能にした。...
真夏の北海道マラソン「過酷なコンディションの中で自己ベストを更新できた理由」
Text: shun sato RETO RUNNING CLUB 第6クール(2023年8月~2023年10月)。チームとして大きなトピックの一つが、クラブの同一大会への参加人数としては過去最多となる約30名が出場した北海道マラソンだ。 真夏の厳しい気象コンディションの間も公式練習会は開催された 今年のレースは、スタート時の気温が29度、湿度78%。レース中には気温が30度を超えるなど、非常に厳しい気象コンディションの中での開催となった。男子の優勝タイムは第一回大会以来2時間20分を上回り、女子も1989年以降で最も遅い優勝タイム。完走率も81.1%とフルマラソンとしては非常に低い数値だった。そんな北海道マラソン2023において、RETO RUNNING CLUB メンバーの中には自己ベストを更新したメンバーがいた。 厳しいコンディションの中、自己ベストを更新できた理由とは。そしてチームとして参加した北海道マラソンの感想についてインタビューで聞いた。 レース当日の朝、北海道マラソンスタート地点 「PBは速めのジョグの成果」是枝一摩さん 結果:3時間15分48秒 / レース前PB:3時間23分16秒(大阪マラソン2023) フィニッシュラインで充実の表情 道マラは、秋冬のマラソンでサブ3を出すために、ペースは4分15秒で、30キロまでいく。その後は、タレても良いという感じで、現状どのくらいいけるのかというのを試すためのレースという位置付けでした。 スタート前は、絵(片山)さんが隣にいてくれたので練習会と変わらない雰囲気で、気持ち的にはかなり安心というか、平常心でいられました。最初の5キロぐらいは人が多くて、無理やり追い抜いていったのでムダに足を使ってしまい、落ち着かない感じだったんですけど、10キロぐらいでペースに乗れました。暑かったので、給水は一度に4カップぐらい取って、飲んだり、頭からかけたりしていました。それでも20キロまでは苦しむこともなく、絵さんともほぼ同じぐらいで気持ちよく走れていました。 片山さんとは普段の練習会から刺激しあっている でも、20キロ過ぎから徐々にキツくなってきて‥‥。自分的には必死に走っているのに、時計を見るとペースが上がっていないんです。30キロ過ぎにはかなりのダメージが来て、もう4分15秒では押せない。このままいけば自己ベストは出せるかもしれないけど着地点が見えなかったので、メンタル的にもかなりキツかったです。 ただ、そこからあまりペースを落とさずに走れたのは、今まで培ってきた練習の成果かなと思います。僕は、たぶん普段のジョグのペースがみんなよりも速めだと思うんです。4分40秒ぐらいで走っているんですけど、そのくらいだと永遠に走れる感じです。そのジョグのおかげで後半、キツイところでも普段走っているレベルは維持できていました。 今回は、PBを更新できましたけど、4分15秒で30キロまでいけたら自信にもなったと思うんです。でも、そこまで行けなかったので、次につながるような自信にはならなかったですね。みんなと比較すると、そこまでバテていないので、夏場のレースでも走れたのはひとつ評価できるのかなと思いますけど、今回の結果だけを見ると秋冬のレースでどこまでちゃんといけるのかなという不安があります。高い目標を見過ぎたというか、もう少しすべきことを突き詰めて自信となるものを得たかったです。 でも、今回の道マラは本当に最高でした。去年はひとりで現地に入って、どこでご飯を食べていいのか分からないので適当にご飯を食べて、翌日に備えて早く寝ました。翌日、朝食を摂ってアップを一人でやり、走って帰ってくるだけだったので、正直、あまり楽しくなかったんです。でも、今回は前日の夜からみんなでご飯を食べて、朝はみんなでアップして、スタートラインにいけば絵さんがいて、ゴールしたら聖也さんがいてくれた。練習会プラスマラソンの祭り感が重なって、ほんと、楽しかったです。 「前半は楽しく、後半は地獄。でも、楽しめました」山本明日香さん 結果:3時間28分43秒 / レース前PB:3時間37分27秒(京都マラソン2023)...
真夏の北海道マラソン「過酷なコンディションの中で自己ベストを更新できた理由」
Text: shun sato RETO RUNNING CLUB 第6クール(2023年8月~2023年10月)。チームとして大きなトピックの一つが、クラブの同一大会への参加人数としては過去最多となる約30名が出場した北海道マラソンだ。 真夏の厳しい気象コンディションの間も公式練習会は開催された 今年のレースは、スタート時の気温が29度、湿度78%。レース中には気温が30度を超えるなど、非常に厳しい気象コンディションの中での開催となった。男子の優勝タイムは第一回大会以来2時間20分を上回り、女子も1989年以降で最も遅い優勝タイム。完走率も81.1%とフルマラソンとしては非常に低い数値だった。そんな北海道マラソン2023において、RETO RUNNING CLUB メンバーの中には自己ベストを更新したメンバーがいた。 厳しいコンディションの中、自己ベストを更新できた理由とは。そしてチームとして参加した北海道マラソンの感想についてインタビューで聞いた。 レース当日の朝、北海道マラソンスタート地点 「PBは速めのジョグの成果」是枝一摩さん 結果:3時間15分48秒 / レース前PB:3時間23分16秒(大阪マラソン2023) フィニッシュラインで充実の表情 道マラは、秋冬のマラソンでサブ3を出すために、ペースは4分15秒で、30キロまでいく。その後は、タレても良いという感じで、現状どのくらいいけるのかというのを試すためのレースという位置付けでした。 スタート前は、絵(片山)さんが隣にいてくれたので練習会と変わらない雰囲気で、気持ち的にはかなり安心というか、平常心でいられました。最初の5キロぐらいは人が多くて、無理やり追い抜いていったのでムダに足を使ってしまい、落ち着かない感じだったんですけど、10キロぐらいでペースに乗れました。暑かったので、給水は一度に4カップぐらい取って、飲んだり、頭からかけたりしていました。それでも20キロまでは苦しむこともなく、絵さんともほぼ同じぐらいで気持ちよく走れていました。 片山さんとは普段の練習会から刺激しあっている でも、20キロ過ぎから徐々にキツくなってきて‥‥。自分的には必死に走っているのに、時計を見るとペースが上がっていないんです。30キロ過ぎにはかなりのダメージが来て、もう4分15秒では押せない。このままいけば自己ベストは出せるかもしれないけど着地点が見えなかったので、メンタル的にもかなりキツかったです。 ただ、そこからあまりペースを落とさずに走れたのは、今まで培ってきた練習の成果かなと思います。僕は、たぶん普段のジョグのペースがみんなよりも速めだと思うんです。4分40秒ぐらいで走っているんですけど、そのくらいだと永遠に走れる感じです。そのジョグのおかげで後半、キツイところでも普段走っているレベルは維持できていました。 今回は、PBを更新できましたけど、4分15秒で30キロまでいけたら自信にもなったと思うんです。でも、そこまで行けなかったので、次につながるような自信にはならなかったですね。みんなと比較すると、そこまでバテていないので、夏場のレースでも走れたのはひとつ評価できるのかなと思いますけど、今回の結果だけを見ると秋冬のレースでどこまでちゃんといけるのかなという不安があります。高い目標を見過ぎたというか、もう少しすべきことを突き詰めて自信となるものを得たかったです。 でも、今回の道マラは本当に最高でした。去年はひとりで現地に入って、どこでご飯を食べていいのか分からないので適当にご飯を食べて、翌日に備えて早く寝ました。翌日、朝食を摂ってアップを一人でやり、走って帰ってくるだけだったので、正直、あまり楽しくなかったんです。でも、今回は前日の夜からみんなでご飯を食べて、朝はみんなでアップして、スタートラインにいけば絵さんがいて、ゴールしたら聖也さんがいてくれた。練習会プラスマラソンの祭り感が重なって、ほんと、楽しかったです。 「前半は楽しく、後半は地獄。でも、楽しめました」山本明日香さん 結果:3時間28分43秒 / レース前PB:3時間37分27秒(京都マラソン2023)...
【新メンバー募集】RETO RUNNING CLUB 第7クール
RETOが主宰するRETO RUNNING CLUBでは、第7クールとなる2023年11月から2024年1月のメンバーを募集します。メンバーの一般募集は半年ぶりとなります。 クラブの合言葉は「Challenge is success」(挑戦は成功だ)。クラブ活動を通じて「目標達成をサポートすること」と「メンバーの人生を豊かにできるコミュニティであること」を理念に掲げて運営しています。 月2回の練習会、月1回のオンライン講習に加え、第7クールでは合宿も実施予定です。マラソンで目標を達成し、さらに充実したライフスタイルをおくりたい方のご応募をお待ちしています。 ◎申込リンクhttps://forms.gle/knDvA8hvrVUVUSFQA 募集クラス:A+:sub2:50/A1:sub3:00/A2:sub3:10/B:sub3:30/C:sub4:00参加費用:¥27,000(税込)※第7クール期間(2023年11月~2024年1月)分応募期間:2023年10月22日(日)迄選考結果:応募締切後、コーチによるセレクションを行い、事務局より選考結果を連絡します。(2023年11月1日頃に連絡予定) 【第7クール日程】◎公式練習会11月13日(月)11月27日(月)12月11日(月)12月25日(月)1月15日(月)1月29日(月)※練習時間は、19時30分~21時頃を予定※練習場所は、基本的には皇居(二重橋周辺) ◎個別練習会11月11日(土)距離走(駒澤公園)11月22日(水)スピード練習(織田F or 二重橋)12月2日(土)距離走(皇居)12月22日(金)スピード練習(織田F)1月13日(土)距離走(駒澤公園)1月26日(金)スピード練習(織田F)現役のトレイルランナーである田村コーチによる練習会です。参加する場合、費用は別途お支払い頂きます。 ◎オンライン講座走るために必要な知識を学ぶ講座やフィジカルトレーニングを行うオンラインセッションを実施します。 ◎合宿1月19日(金)~21日(日)の日程で合宿を行う予定。参加する場合、費用は別途お支払い頂きます。 ◎お問い合わせRRC運営事務局 / info@reto-sports.jp
【新メンバー募集】RETO RUNNING CLUB 第7クール
RETOが主宰するRETO RUNNING CLUBでは、第7クールとなる2023年11月から2024年1月のメンバーを募集します。メンバーの一般募集は半年ぶりとなります。 クラブの合言葉は「Challenge is success」(挑戦は成功だ)。クラブ活動を通じて「目標達成をサポートすること」と「メンバーの人生を豊かにできるコミュニティであること」を理念に掲げて運営しています。 月2回の練習会、月1回のオンライン講習に加え、第7クールでは合宿も実施予定です。マラソンで目標を達成し、さらに充実したライフスタイルをおくりたい方のご応募をお待ちしています。 ◎申込リンクhttps://forms.gle/knDvA8hvrVUVUSFQA 募集クラス:A+:sub2:50/A1:sub3:00/A2:sub3:10/B:sub3:30/C:sub4:00参加費用:¥27,000(税込)※第7クール期間(2023年11月~2024年1月)分応募期間:2023年10月22日(日)迄選考結果:応募締切後、コーチによるセレクションを行い、事務局より選考結果を連絡します。(2023年11月1日頃に連絡予定) 【第7クール日程】◎公式練習会11月13日(月)11月27日(月)12月11日(月)12月25日(月)1月15日(月)1月29日(月)※練習時間は、19時30分~21時頃を予定※練習場所は、基本的には皇居(二重橋周辺) ◎個別練習会11月11日(土)距離走(駒澤公園)11月22日(水)スピード練習(織田F or 二重橋)12月2日(土)距離走(皇居)12月22日(金)スピード練習(織田F)1月13日(土)距離走(駒澤公園)1月26日(金)スピード練習(織田F)現役のトレイルランナーである田村コーチによる練習会です。参加する場合、費用は別途お支払い頂きます。 ◎オンライン講座走るために必要な知識を学ぶ講座やフィジカルトレーニングを行うオンラインセッションを実施します。 ◎合宿1月19日(金)~21日(日)の日程で合宿を行う予定。参加する場合、費用は別途お支払い頂きます。 ◎お問い合わせRRC運営事務局 / info@reto-sports.jp
ランナーにとって身近でやっかいな足首捻挫。正しい対処方法とは。
Text: shun sato 甘く見てはならない足首捻挫 足首捻挫は、ランナーにとって、一番身近でやっかいな怪我だろう。 “やっかい”というのは、完治が簡単そうに見えて、実際はそうではないからだ。 捻挫は経験がある人が多いので、整形外科には頼らず、個人の判断で処置を施すケースもよくある。冷やして、湿布して、あるいは固定して、腫れが引けば走れるだろう。そう、自己判断して、走り始める。しかし、それは逆に怪我を悪化させてしまうことが多い。そうなると、回復までの長期化は避けられなくなる。「あの時、やめておけば」「自重していれば」という後悔は先に立たず、仲間や友人が走力を高めていく中、悶々とした日々を送ることになる。 「足首捻挫を甘くみないこと」 フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏は、そう語る。 「足首捻挫は、足の靭帯の損傷なんです。肉離れとか筋断裂は筋肉の損傷なんですけど、血管がたくさん通っているので修復する材料を血管を通して運ぶので正直な話、放っておいても治るんですよ。でも、足首捻挫のように靭帯や軟骨組織を損傷した場合、勝手には治りにくい」 捻挫は、靭帯の損傷程度によって三つに分けられている。 靭帯が伸びる程度の損傷をステージ1、靭帯の一部が切れるものをステージ2、靭帯が完全に切れるものをステージ3と定義している。 RETO RUNNING CLUBで講師を務める中野ジェームズ修一氏 RETORUNNINGCLUBメンバーの永田龍司さんは、昨年10月、帰宅ランの途中で右足首捻挫を受傷した。最初は湿布などを施し、安静にしていたが1週間後に腫れが治まり、走り出した。 「昔、足首を捻挫したことがあって、ちょっと休んで走り出したイメージがあったので、この時もそのイメージでちょっと休んだら走れるかなって思っていました。実際、1週間休んで20キロを走ったら走れたんです。でも、次の日にかなり悪化してしまいました」 筆者も昨年12月に右足首の捻挫を受傷し、1週間休んだ後、走り出した。永田さんと同じく過去の捻挫の事例からだいたいこのくらい休めば走れたという経験からランの再開時期を考えたのだが、こうした判断を一般的には行いがちだ。 避けたい自己判断とランニングの早期再開 中野氏は、経験からの自己判断が悪化させる一つの要因だという。 「捻挫は、誰もが子どもの頃に1度や2度は経験があると思います。子どもの頃は回復が早いんですが、その時にこの程度の捻挫でこのくらいの期間を休んで治ったという経験から復帰に対する基準が生まれるんです。でも、大人になって怪我すると年齢を重ねていくほど治りが遅くなっていきますし、靭帯の損傷なのでそもそも治りづらい。にもかかわらず痛みがなくなった時点で走ってしまうので、また損傷してしまう。それを繰り返していくと捻挫癖になってしまい、容易に捻挫が起こりやすくなってしまいます」 永田さんは、痛みが再発した1週間後、病院に行き、ステージ3の捻挫、全治3か月と診断された。その際、自分の感覚とドクターの診断が一致して内心ちょっとホッとした気持ちとマラソン1か月前だったので断念せざる終えない悲しさで一杯になったという。そこから足に負担を掛けず、体の機能を維持向上するために瞬発力、持久力、心肺機能の3つをトレーニングプログラムに取り入れた。瞬発系はウエイトトレーニング、持久力はウォーキング、心肺機能はエアロバイクのトレーニングをノーラン期間の2カ月つづけた。 「チームメートのトレーニングメニューが共有されるアプリもあまり見ないようにしてストレスを溜めないようにしていました。また、太らないように食事を考えつつ、睡眠時間はかなりたっぷりとっていました」 一方、筆者の場合は受傷して1週間後、走り始めた。くるぶし付近に腫れがあったが永田さんほどの痛みは感じず、目標としていたレースもあったのでアイシングをして走ることを継続していった。だが、レース(2022年12月のBeyond)で痛みが爆発し、途中棄権。その後の診断で全治2か月半と診断された。腫れても走れると過信しての顛末である。 計画的に対処しランニングを再開した永田さん 中野氏は、受傷した際は、「しばらく安静にするのが一番」という。 その観点からすれば永田さんが全治3か月を宣告され、2カ月ノーランで過ごしたのは、お手本のような対応だ。ただ、2カ月間も走れなかったので、いい状態で走れた頃の動きを忘れてしまい、自分の体が自分のものじゃないような感覚にも襲われた。それでも約3か月後の今年1月のハイテクハーフ前に状態が良くなった。思うように足首をコントロールできるようになり、ハイスピードでのポイント練習ができるまでに完全回復し、レースでは自己ベストを更新した。それまでちょうど3か月間で、ドクターの所見通りだった。 自分の場合、レース(Beyond)以降ノーランとしていたが、東京マラソンがあったためにわずか11日目にランを再開した。東京マラソンに賭けていた分、そこから痛みと野球ボール大の腫れとの格闘が続き、2月には藁にも縋る思いで鍼灸に毎週、通った。中野氏は、「走り始めた段階で痛みと腫れが出るということは、そもそも走っちゃいけないので、アウトです」というが、その通り、結局走れるようにならなかった。 4月に紹介してもらった鳥居先生(さがみ林間病院)に診てもらい、関節腔内注射で状態が好転に転じた。Beyond(2022年12月29日)での悪化から、6月のRETORUNNINGCLUB練習会で本格的に練習を再開できるまで約半年を要したことになる。 永田さんと自分の回復までの時間差は、年齢差や個人差があるにせよ、診断後のアプロ―チに起因している。目標レースを潔く諦めて医師の診断通りノーランを守った永田さんと鍼で痛みを取り、東京マラソンにすがった筆者。受傷後の対応の違いが復帰の明暗を分けたといえるだろう。...
ランナーにとって身近でやっかいな足首捻挫。正しい対処方法とは。
Text: shun sato 甘く見てはならない足首捻挫 足首捻挫は、ランナーにとって、一番身近でやっかいな怪我だろう。 “やっかい”というのは、完治が簡単そうに見えて、実際はそうではないからだ。 捻挫は経験がある人が多いので、整形外科には頼らず、個人の判断で処置を施すケースもよくある。冷やして、湿布して、あるいは固定して、腫れが引けば走れるだろう。そう、自己判断して、走り始める。しかし、それは逆に怪我を悪化させてしまうことが多い。そうなると、回復までの長期化は避けられなくなる。「あの時、やめておけば」「自重していれば」という後悔は先に立たず、仲間や友人が走力を高めていく中、悶々とした日々を送ることになる。 「足首捻挫を甘くみないこと」 フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏は、そう語る。 「足首捻挫は、足の靭帯の損傷なんです。肉離れとか筋断裂は筋肉の損傷なんですけど、血管がたくさん通っているので修復する材料を血管を通して運ぶので正直な話、放っておいても治るんですよ。でも、足首捻挫のように靭帯や軟骨組織を損傷した場合、勝手には治りにくい」 捻挫は、靭帯の損傷程度によって三つに分けられている。 靭帯が伸びる程度の損傷をステージ1、靭帯の一部が切れるものをステージ2、靭帯が完全に切れるものをステージ3と定義している。 RETO RUNNING CLUBで講師を務める中野ジェームズ修一氏 RETORUNNINGCLUBメンバーの永田龍司さんは、昨年10月、帰宅ランの途中で右足首捻挫を受傷した。最初は湿布などを施し、安静にしていたが1週間後に腫れが治まり、走り出した。 「昔、足首を捻挫したことがあって、ちょっと休んで走り出したイメージがあったので、この時もそのイメージでちょっと休んだら走れるかなって思っていました。実際、1週間休んで20キロを走ったら走れたんです。でも、次の日にかなり悪化してしまいました」 筆者も昨年12月に右足首の捻挫を受傷し、1週間休んだ後、走り出した。永田さんと同じく過去の捻挫の事例からだいたいこのくらい休めば走れたという経験からランの再開時期を考えたのだが、こうした判断を一般的には行いがちだ。 避けたい自己判断とランニングの早期再開 中野氏は、経験からの自己判断が悪化させる一つの要因だという。 「捻挫は、誰もが子どもの頃に1度や2度は経験があると思います。子どもの頃は回復が早いんですが、その時にこの程度の捻挫でこのくらいの期間を休んで治ったという経験から復帰に対する基準が生まれるんです。でも、大人になって怪我すると年齢を重ねていくほど治りが遅くなっていきますし、靭帯の損傷なのでそもそも治りづらい。にもかかわらず痛みがなくなった時点で走ってしまうので、また損傷してしまう。それを繰り返していくと捻挫癖になってしまい、容易に捻挫が起こりやすくなってしまいます」 永田さんは、痛みが再発した1週間後、病院に行き、ステージ3の捻挫、全治3か月と診断された。その際、自分の感覚とドクターの診断が一致して内心ちょっとホッとした気持ちとマラソン1か月前だったので断念せざる終えない悲しさで一杯になったという。そこから足に負担を掛けず、体の機能を維持向上するために瞬発力、持久力、心肺機能の3つをトレーニングプログラムに取り入れた。瞬発系はウエイトトレーニング、持久力はウォーキング、心肺機能はエアロバイクのトレーニングをノーラン期間の2カ月つづけた。 「チームメートのトレーニングメニューが共有されるアプリもあまり見ないようにしてストレスを溜めないようにしていました。また、太らないように食事を考えつつ、睡眠時間はかなりたっぷりとっていました」 一方、筆者の場合は受傷して1週間後、走り始めた。くるぶし付近に腫れがあったが永田さんほどの痛みは感じず、目標としていたレースもあったのでアイシングをして走ることを継続していった。だが、レース(2022年12月のBeyond)で痛みが爆発し、途中棄権。その後の診断で全治2か月半と診断された。腫れても走れると過信しての顛末である。 計画的に対処しランニングを再開した永田さん 中野氏は、受傷した際は、「しばらく安静にするのが一番」という。 その観点からすれば永田さんが全治3か月を宣告され、2カ月ノーランで過ごしたのは、お手本のような対応だ。ただ、2カ月間も走れなかったので、いい状態で走れた頃の動きを忘れてしまい、自分の体が自分のものじゃないような感覚にも襲われた。それでも約3か月後の今年1月のハイテクハーフ前に状態が良くなった。思うように足首をコントロールできるようになり、ハイスピードでのポイント練習ができるまでに完全回復し、レースでは自己ベストを更新した。それまでちょうど3か月間で、ドクターの所見通りだった。 自分の場合、レース(Beyond)以降ノーランとしていたが、東京マラソンがあったためにわずか11日目にランを再開した。東京マラソンに賭けていた分、そこから痛みと野球ボール大の腫れとの格闘が続き、2月には藁にも縋る思いで鍼灸に毎週、通った。中野氏は、「走り始めた段階で痛みと腫れが出るということは、そもそも走っちゃいけないので、アウトです」というが、その通り、結局走れるようにならなかった。 4月に紹介してもらった鳥居先生(さがみ林間病院)に診てもらい、関節腔内注射で状態が好転に転じた。Beyond(2022年12月29日)での悪化から、6月のRETORUNNINGCLUB練習会で本格的に練習を再開できるまで約半年を要したことになる。 永田さんと自分の回復までの時間差は、年齢差や個人差があるにせよ、診断後のアプロ―チに起因している。目標レースを潔く諦めて医師の診断通りノーランを守った永田さんと鍼で痛みを取り、東京マラソンにすがった筆者。受傷後の対応の違いが復帰の明暗を分けたといえるだろう。...