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「MVPは目標を達成した時に欲しかった(笑)」RRCメンバーインタビュー
Text: shun sato Bチーム(目標:フルマラソン3時間30分)第5クールMVPに選ばれた金子一美さん RETO RUNNING CLUBの第5クール(2023年5月〜7月)、金子一美さんはストラバでチームでもトップを競うレベルで距離を踏んでいました。昨年は貧血の影響で練習後に倒れ込むなど体調面での不安を抱えていましたが、このクールでは体質改善が進んで貧血の症状の軽くなり、充実した練習をこなし、月間350キロ越えを実現しました。 復調のきっかけとなった食事改善 このクールからすごく体調が良くなってRETOの練習はもちろん、普段の練習もメニューをこなせるようになったので、それが走りにも出て来ているのかなぁと思っています。 猛暑の中行われた1500mタイムトライアルでも目標を達成 そのキッカケになったのは、貧血のための点滴と中野(ジェームズ修一)さんの食事指導です。以前から貧血気味で練習の途中で具合が悪くなって、練習をこなせなかったりしたんですが、そのふたつのおかげでガラリと変わりました。中野さんの食事指導は、これまでの食事についてお話しをさせてもらった時、「栄養失調の状態で、常に貯金がない状態で走っているので、タンパク質をしっかり摂りましょう」と言われたんです。それから3週間、3食を撮って中野さんに送って見ていただきました。私の体重や日々の練習量でいうと1日、約80gのタンパク質が必要になるんですけど食事を見て、「今日はゆで卵を一つ食べたらいい感じですね」とか、「動物性と植物性タンパク質のバランスをもう少しよくしてください」等々、アドバイスをしていただいて、その上でこういう食事を摂ればタンパク質が足りてきますというベースを作っていただきました。 メンバーから相談を受けることも多い金子さん 全ては秋以降のレースに向けて それを続けていくことで、以前と違いが明確に出てきました。練習では、後半に粘りが出て来て、最後はしんどいみたいのがあまりなくなったんです。また、6月は300キロ、7月は350キロを目指していて、距離を踏む練習がメインにしていましたが、リカバリーも含めてすごくうまくいっている感じがしています。今月、350キロに設定したのは、道マラのスタートラインに立った時、これだけ走ったという自信になるかなということで設定しました。それに夏の走り込みは秋からのレースの結果を左右すると思っているので、これまでの練習、北海道マラソンを含めてすべてを秋の金沢、来年の勝田、東京に繋げていけたらと思っています。 富士見合宿 5クールを終えて、チームの雰囲気は変わりましたね。私は1クール(RRC発足時)からのメンバーですが、最初の頃のBチームは、女子が3人で、刺激し合うというよりはのほほんという感じでやっていました(笑)。でも、徐々に女子が増えて、目標をクリアしようと自分をプッシュする人が増えることで、私もそういう流れに乗れるようになってレースに対する気持ちも変わってきました。 メンバーの目標達成にも刺激を受けて ひとつ転機になったのは、ゆうこりん(長谷部裕子)が長野マラソンでサブ3.5を達成したことです。目標を達成して格好いいなと思いましたし、すごくいい流れを作ってくれたと思うんです。次は自分だとは、その時はまだ思えなかったんですが(苦笑)、練習して力が伸びている人をみるといい環境にいるなと思いますし、そこに希望が持てますよね。 標準を合わせるのは秋以降のレース 昨年は、まだチームの波に乗れていない感じだったんですけど、今は走れている手応えを感じていますし、ようやくスタートラインに立った気がします。そういう状態ですので、このクールでのMVPは正直、えって思いましたし、しっかり目標をクリアしてからいただければと思いました(苦笑)。でも、期待含みということで、これを励みにしてサブ3.5を達成したいと思います。
「MVPは目標を達成した時に欲しかった(笑)」RRCメンバーインタビュー
Text: shun sato Bチーム(目標:フルマラソン3時間30分)第5クールMVPに選ばれた金子一美さん RETO RUNNING CLUBの第5クール(2023年5月〜7月)、金子一美さんはストラバでチームでもトップを競うレベルで距離を踏んでいました。昨年は貧血の影響で練習後に倒れ込むなど体調面での不安を抱えていましたが、このクールでは体質改善が進んで貧血の症状の軽くなり、充実した練習をこなし、月間350キロ越えを実現しました。 復調のきっかけとなった食事改善 このクールからすごく体調が良くなってRETOの練習はもちろん、普段の練習もメニューをこなせるようになったので、それが走りにも出て来ているのかなぁと思っています。 猛暑の中行われた1500mタイムトライアルでも目標を達成 そのキッカケになったのは、貧血のための点滴と中野(ジェームズ修一)さんの食事指導です。以前から貧血気味で練習の途中で具合が悪くなって、練習をこなせなかったりしたんですが、そのふたつのおかげでガラリと変わりました。中野さんの食事指導は、これまでの食事についてお話しをさせてもらった時、「栄養失調の状態で、常に貯金がない状態で走っているので、タンパク質をしっかり摂りましょう」と言われたんです。それから3週間、3食を撮って中野さんに送って見ていただきました。私の体重や日々の練習量でいうと1日、約80gのタンパク質が必要になるんですけど食事を見て、「今日はゆで卵を一つ食べたらいい感じですね」とか、「動物性と植物性タンパク質のバランスをもう少しよくしてください」等々、アドバイスをしていただいて、その上でこういう食事を摂ればタンパク質が足りてきますというベースを作っていただきました。 メンバーから相談を受けることも多い金子さん 全ては秋以降のレースに向けて それを続けていくことで、以前と違いが明確に出てきました。練習では、後半に粘りが出て来て、最後はしんどいみたいのがあまりなくなったんです。また、6月は300キロ、7月は350キロを目指していて、距離を踏む練習がメインにしていましたが、リカバリーも含めてすごくうまくいっている感じがしています。今月、350キロに設定したのは、道マラのスタートラインに立った時、これだけ走ったという自信になるかなということで設定しました。それに夏の走り込みは秋からのレースの結果を左右すると思っているので、これまでの練習、北海道マラソンを含めてすべてを秋の金沢、来年の勝田、東京に繋げていけたらと思っています。 富士見合宿 5クールを終えて、チームの雰囲気は変わりましたね。私は1クール(RRC発足時)からのメンバーですが、最初の頃のBチームは、女子が3人で、刺激し合うというよりはのほほんという感じでやっていました(笑)。でも、徐々に女子が増えて、目標をクリアしようと自分をプッシュする人が増えることで、私もそういう流れに乗れるようになってレースに対する気持ちも変わってきました。 メンバーの目標達成にも刺激を受けて ひとつ転機になったのは、ゆうこりん(長谷部裕子)が長野マラソンでサブ3.5を達成したことです。目標を達成して格好いいなと思いましたし、すごくいい流れを作ってくれたと思うんです。次は自分だとは、その時はまだ思えなかったんですが(苦笑)、練習して力が伸びている人をみるといい環境にいるなと思いますし、そこに希望が持てますよね。 標準を合わせるのは秋以降のレース 昨年は、まだチームの波に乗れていない感じだったんですけど、今は走れている手応えを感じていますし、ようやくスタートラインに立った気がします。そういう状態ですので、このクールでのMVPは正直、えって思いましたし、しっかり目標をクリアしてからいただければと思いました(苦笑)。でも、期待含みということで、これを励みにしてサブ3.5を達成したいと思います。

「心理的な壁は取り除くことができたと思うので、次はみんなが達成するのが楽しみです」RRCメンバ...
Text: shun sato A+チーム(目標:フルマラソン2時間50分)第5クールMVPに選ばれた唐津孝二さん 昨年、金沢マラソンで先陣を切ってサブ3を達成し、チームに勢いをつけた唐津孝二さん。今年の東京マラソンで2時間53分03秒を出し、その流れで7月ゴールドコーストマラソンではサブエガ(2時間50分切り)を達成しました。出場レースは外さず、PBを出し続ける源泉は月間450キロの積み重ねです。 会心のレースとなった「ゴールドコーストマラソン」 MVPをいただけたのは、ゴールドコーストマラソンの結果ですよね。目標だった2時間50分切りのサブエガを達成(2時間48分18秒)できてうれしかったですし、応援してくれたチームのみんなには感謝です。ありがとうございました。 サブエガを達成したゴールドマラソンのフィニッシュ後 目標を達成できたのは、ひとつは東京マラソンで練習が成果に結びつきPBを大きく更新できた(2時間53分03秒)ことが大きいです。そこで次のゴールドコーストマラソンに向けての練習やレースの組み立てがなんとなく見えてきました。 サブエガ達成に向けた取り組み サブエガ達成に向けては、比較的短期間でキロ5秒以上ペースを上げる必要があったこと、東京を踏まえイーブンに近い形で走り切ることが負荷も低く自分に合っていそうという感覚があり、今回は10-20キロのMペース走に集中的に取り組みました。キロ4分ペースで走り続けるたことはこれまでなかったので、そこをしっかりやり込み体を慣らすとともにペースを刻み込むことが大事だと考えたんです。 公式練習会 あとは、6-8キロのLT走(キロ3分47秒)、ロング走(30-40㎞)とハーフ(20-24㎞)を週1回程度、入れていました。ロング走とハーフのペースは暑さもあり、だいたいキロ4分30秒―4分50秒ぐらいです。基本的に朝、走っているんですが、正直しんどい時もあります。でも、「今日は行くんだ」と決めてまずは外に出ていました。今日は無理かなと思う日もありましたが、4、5キロを走っていると不思議とペースが上がってくるんです。その感覚を繰り返すことでなんとかレースまで継続できました。Mペース走は10キロから徐々に延ばして15キロぐらいまで走っていました。20キロはハーフのレースをうまく利用させてもらいました。 着実に自己ベストを更新してきた(写真は2022年12月のBeyond) サブエガ達成は、練習の成果が出て、ペースを3分58秒から59秒でコントロールできたのが、結果に繋がったと思います。トータルでペースが3分台というのは嬉しかったですね。レース後も以前とだいぶ違いました。これまではレースが終わると出し切った感があって、足がパンパンでつって歩けないみたいなことが多かったんです。でも、東京もそうでしたが今回はそれ以上に楽で、少し余力を残した状態でした。 第5クールの1500mタイムトライアル 昨年、僕が最初にサブ3を達成して、「壁がなくなったよ」と平野(友之)さんが言ってくれたんですが、その後、平野さんなど多くの方がサブ3を達成して続いてくれうれしかったです。本格シーズン前の早いタイミングでレースに出たこともあり、今回も少し早めにサブエガを達成できましたが、心理的な壁は取り除くことができたと思うので、次はみんなが達成するのが楽しみです。 今後の目標 RETOは、クールを重ねていくごとにみんなの熱量が高まり、お互いに刺激し合い、相乗効果でタイムが上がっています。僕は、練習会とか自ら開催するタイプじゃないですけど、結果を出して、みんなに刺激を与えられたらと思っています。でも、今、ストラバを見ていると、みんな、すごく走っていますよね。本当はゴールドコーストの後、もうちょっと休養期間を置きたかったんですけど、見ていたら逆に刺激を受けて、そんなに休めないなって思って走り始めました(苦笑)。次は、つくばと東京マラソンを走る予定です。できればタクちゃん(小坂拓也さん)の記録(2時間45分52秒)をどちらかで破りたいと思っています。
「心理的な壁は取り除くことができたと思うので、次はみんなが達成するのが楽しみです」RRCメンバ...
Text: shun sato A+チーム(目標:フルマラソン2時間50分)第5クールMVPに選ばれた唐津孝二さん 昨年、金沢マラソンで先陣を切ってサブ3を達成し、チームに勢いをつけた唐津孝二さん。今年の東京マラソンで2時間53分03秒を出し、その流れで7月ゴールドコーストマラソンではサブエガ(2時間50分切り)を達成しました。出場レースは外さず、PBを出し続ける源泉は月間450キロの積み重ねです。 会心のレースとなった「ゴールドコーストマラソン」 MVPをいただけたのは、ゴールドコーストマラソンの結果ですよね。目標だった2時間50分切りのサブエガを達成(2時間48分18秒)できてうれしかったですし、応援してくれたチームのみんなには感謝です。ありがとうございました。 サブエガを達成したゴールドマラソンのフィニッシュ後 目標を達成できたのは、ひとつは東京マラソンで練習が成果に結びつきPBを大きく更新できた(2時間53分03秒)ことが大きいです。そこで次のゴールドコーストマラソンに向けての練習やレースの組み立てがなんとなく見えてきました。 サブエガ達成に向けた取り組み サブエガ達成に向けては、比較的短期間でキロ5秒以上ペースを上げる必要があったこと、東京を踏まえイーブンに近い形で走り切ることが負荷も低く自分に合っていそうという感覚があり、今回は10-20キロのMペース走に集中的に取り組みました。キロ4分ペースで走り続けるたことはこれまでなかったので、そこをしっかりやり込み体を慣らすとともにペースを刻み込むことが大事だと考えたんです。 公式練習会 あとは、6-8キロのLT走(キロ3分47秒)、ロング走(30-40㎞)とハーフ(20-24㎞)を週1回程度、入れていました。ロング走とハーフのペースは暑さもあり、だいたいキロ4分30秒―4分50秒ぐらいです。基本的に朝、走っているんですが、正直しんどい時もあります。でも、「今日は行くんだ」と決めてまずは外に出ていました。今日は無理かなと思う日もありましたが、4、5キロを走っていると不思議とペースが上がってくるんです。その感覚を繰り返すことでなんとかレースまで継続できました。Mペース走は10キロから徐々に延ばして15キロぐらいまで走っていました。20キロはハーフのレースをうまく利用させてもらいました。 着実に自己ベストを更新してきた(写真は2022年12月のBeyond) サブエガ達成は、練習の成果が出て、ペースを3分58秒から59秒でコントロールできたのが、結果に繋がったと思います。トータルでペースが3分台というのは嬉しかったですね。レース後も以前とだいぶ違いました。これまではレースが終わると出し切った感があって、足がパンパンでつって歩けないみたいなことが多かったんです。でも、東京もそうでしたが今回はそれ以上に楽で、少し余力を残した状態でした。 第5クールの1500mタイムトライアル 昨年、僕が最初にサブ3を達成して、「壁がなくなったよ」と平野(友之)さんが言ってくれたんですが、その後、平野さんなど多くの方がサブ3を達成して続いてくれうれしかったです。本格シーズン前の早いタイミングでレースに出たこともあり、今回も少し早めにサブエガを達成できましたが、心理的な壁は取り除くことができたと思うので、次はみんなが達成するのが楽しみです。 今後の目標 RETOは、クールを重ねていくごとにみんなの熱量が高まり、お互いに刺激し合い、相乗効果でタイムが上がっています。僕は、練習会とか自ら開催するタイプじゃないですけど、結果を出して、みんなに刺激を与えられたらと思っています。でも、今、ストラバを見ていると、みんな、すごく走っていますよね。本当はゴールドコーストの後、もうちょっと休養期間を置きたかったんですけど、見ていたら逆に刺激を受けて、そんなに休めないなって思って走り始めました(苦笑)。次は、つくばと東京マラソンを走る予定です。できればタクちゃん(小坂拓也さん)の記録(2時間45分52秒)をどちらかで破りたいと思っています。

Founder神野大地が語るRETOの歴史と未来
Text: shun sato RETO立ち上げのきっかけ RETOの事業内容はプロダクトの販売に限らず、今やランニングクラブ事業、そしてメディアにもその域を広げようとしている。現役プロアスリートでもある神野はなぜRETOを立ち上げ、今後、RETOで何をしようとしているのだろうか。 RETOは、ネックレスの販売から始まった。「4年前、ネックレスの販売事業をスタートするにあたって立ち上げたのがRETOです。ビジネスとしてこういうことをやってみたい、と考えていたというよりは、現役アスリートがブランドを立ち上げるのって新しくて面白いな、くらいの気持ちでした。ブランド名のRETOはスペイン語で挑戦という意味です。僕の人生を振り返った時に、常に”挑戦すること”を大切に走り続けてきたことから名付けました。スペインは特に縁もゆかりもないですが響きがかっこいいなと(笑)」 RETO商品の第一弾として発表したネックレスの「ブラック×シルバー」は現在も販売中 RETO商品に対するこだわり ネックレスから始まったプロダクトは、その後、さらに進行し、今はランニングソックス、タオルにまで及んでいる。とりわけランニングソックスは、今や多くのランナーに支持され、あちこちの練習会やレースで見かけるようになった。神野は、それぞれのプロダクトにこだわりがあるという。「商品を販売する上で大事にしているポリシーは、本当に自分が自信を持ってお勧めできるものを商品化するということです。そうして、できるだけ多くの人に使ってもらって、その良さを実感してほしいと思っています」現役トップアスリートの作るプロダクトは、もともとあるものに名前だけつけて販売しているだけだろうと思う人もいるだろう。だが、神野はその見方の逆を突く。 ランニングソックスは普段のトレーニングやレースで常に着用している ソックスはマラソンを走り始めてその重要性に気付き、5,6年前から自分に合うものを探していたという。いろんなタイプの靴下を購入し、試してきた。神野が「これが一番合っている」と感じていたのは兵庫県加古川市の靴下メーカーユニバル社が製造するIDATENソックスだった。自費で購入していた縁から、コラボレーションして商品を作るプロジェクトが始まった。加古川市にある工場にも出向くなど、約1年間、試行錯誤を繰り返して昨年ついに完成し、販売になった。発売初月にはECでの販売数が500足を超えるなど、予想を上回る反響があったという。 株式会社ユニバルの加古川工場で製造過程を見学 次に販売したタオルも、今治の工場に足を運んだ。そこで製作過程を見学し、制作過程の拘りについて話を聞き、自分のプロダクトに対する思いを伝えた。小さなことかもしれないが、実際に現地に足を運んで現場の声を聞き、より良いプロダクトを生み出していこうという熱意は、必要なもの。それが、ユーザーに伝わるからだ。「商品のサンプルが届きました。はい、これでいいです。で、終わりじゃ、作り手の熱意がなかなか伝ってこないと思うんです。でも、現場にいってコミュニケーションを取ることで提携会社の方や、職人さんも僕も商品に対する熱量が確実に高まっていく。そうして良質の商品が生まれていくと思うし、それをみんなに知ってもらいたいという意欲も高まります」自分のブランドのプロダクトに対する知識と責任を持つために大切にしていることだという。 神野とIKEUCHI ORGANICの池内代表 大人向けのランニングクラブ運営 RETOが展開するもうひとつの事業がランニングクラブ「RETO RUNNING CLUB(RRC)」の運営だ。昨年5月、30名程度でスタートしたランニングクラブだが、現在は70名以上のメンバーを抱える。「現役のプロランナーがクラブチームを作り、市民ランナーの皆さんの目標達成をサポートするという目的でスタートしました。これは、全国的にも初の試みだと思いますし、僕自身のチャレンジでもありました。最初はどういう感じでメンバーと接すれば良いのか、どんなサービスを提供していけば満足してもらえるか、いろいろ考えましたね。実際に運営していく中で自分の立ち位置とか、やり方が見えてきて、今ではメンバーよりも僕自身が月2回の練習会を楽しみにしていると思います(笑)。そう思えるクラブを作れていることが本当に幸せなことですよね。」 RRC発足直後の公式練習会 ランニングクラブでは公式練習会が月に2回開催されている。クラブ合宿があり、さらに座学として、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一やスプリントコーチの秋本真吾らが講師となってリモート講座が設けられ、実践と知識と両立するスタイルでランナーをサポートしている。それ以外にもメンバーが個人練習会やイベントを開催することでメンバー間の交流が活発化し、コミュニティが生じている。「RRCは、本当にメンバーに恵まれていて、目標達成のために真剣に取り組みつつも、みんなで意見を出し合って、みんなで速くなろうという風土が出来ています。自分が頑張るだけじゃなく、他のメンバーの目標も応援してくれる。実際、僕もこれまでは応援される立場だったんですけど、今年の名古屋ウイメンズでメンバーを応援して、すごく楽しかった。今は、年間のスケジュールを決める際、このレースはメンバーが多く出るので、仕事とかぶらないようにしようとか、考えるようになりました(笑)」 メンバー自主企画イベント「小田鎌」 クラブのメンバーは入会の際、志望動機などの項目を埋め、応募する。合格した人は会費を支払って練習会に参加する。これが例えば、目標がなくても大丈夫、お金はいりません。走りたい人は誰でもどうぞ、走って飲みましょう。そういうチームがあってもいいが、それではRETOのようにチームがコミュニティ化して、お互いを高め合っていくようなクラブ作りは難しい。会費を払う側には学ぼうという意欲や目標達成への意欲があり、運営サイドには満足いく内容を常に提供する責任が生じる。両者が高いレベルで合致しないと大きな熱量は生まれない。「ランニングを通して人生を豊かにできると、クラブ運営を通して本気で思えるようになりました。目標を持つことの大切さも改めて実感しています。Challenge is successというテーマも掲げていますが、みんなが目標を達成したいという思いを持って、それに向けて挑戦していることがRRCを作り上げる上で大きなポイントになっていると思います」 真冬で雨の日の公式練習会 ただ、目標達成だけに突き進んでしまうと、どうしてもメンバー間で温度差が出てしまう。目標達成へのスタンスやアプローチはそれぞれあり、誰もが同じレールに乗る必要はない。「目標達成した人がすごくて、できなかった人はそうではないみたいな空気というのは絶対に作りたくないんです。目標を持って、前向きにチャレンジするというマインドが一番大事なことだと思っているし、何より皆さんプロではないですからね。”楽しい””やりがいを持って取り組める”といった前向きな気持ちでランニングと向き合って欲しいので。ランニングに対してモチベーションが上がらない時期があるのも当然です。ただ、一つだけ僕がメンバーに対してお願いしていることは「(少なくとも)年に1度は目標を持ってフルマラソンに挑戦しましょう」ということ。ただ、RRCに入れば自然とそういう気持ちになれると思うし、挑戦するために必要なサービスを提供できていると思います。」 公式練習会では神野自らペーサーも務める オウンドメディアで解決したい課題 RETOは、これまでの活動を通して、一般のランナーにも徐々にその存在を知られるようになってきている。それは口コミもあるが、RETOとしてSNSでの発信、各媒体への露出などでクラブとしての価値を高めていくというところにも重きを置いていることが大きい。プロダクトの開発と販売、RRCのランニングクラブ事業、そして3本目の矢としてRETOが考えているのが、このメディア事業だ。現在は、情報過多の時代だ。ヤフーなどの巨大なプラットホームでニュースや記事が配信され、SNSでは個人が呟き、noteなどメディアプラットホームを使い、個人でも多くの情報を発している。情報が溢れている分、自分が本当にほしいものにたどり着くまで時間を要したりすることもある。その課題を解決するために、RETOはオウンドメディアを立ち上げるという。...
Founder神野大地が語るRETOの歴史と未来
Text: shun sato RETO立ち上げのきっかけ RETOの事業内容はプロダクトの販売に限らず、今やランニングクラブ事業、そしてメディアにもその域を広げようとしている。現役プロアスリートでもある神野はなぜRETOを立ち上げ、今後、RETOで何をしようとしているのだろうか。 RETOは、ネックレスの販売から始まった。「4年前、ネックレスの販売事業をスタートするにあたって立ち上げたのがRETOです。ビジネスとしてこういうことをやってみたい、と考えていたというよりは、現役アスリートがブランドを立ち上げるのって新しくて面白いな、くらいの気持ちでした。ブランド名のRETOはスペイン語で挑戦という意味です。僕の人生を振り返った時に、常に”挑戦すること”を大切に走り続けてきたことから名付けました。スペインは特に縁もゆかりもないですが響きがかっこいいなと(笑)」 RETO商品の第一弾として発表したネックレスの「ブラック×シルバー」は現在も販売中 RETO商品に対するこだわり ネックレスから始まったプロダクトは、その後、さらに進行し、今はランニングソックス、タオルにまで及んでいる。とりわけランニングソックスは、今や多くのランナーに支持され、あちこちの練習会やレースで見かけるようになった。神野は、それぞれのプロダクトにこだわりがあるという。「商品を販売する上で大事にしているポリシーは、本当に自分が自信を持ってお勧めできるものを商品化するということです。そうして、できるだけ多くの人に使ってもらって、その良さを実感してほしいと思っています」現役トップアスリートの作るプロダクトは、もともとあるものに名前だけつけて販売しているだけだろうと思う人もいるだろう。だが、神野はその見方の逆を突く。 ランニングソックスは普段のトレーニングやレースで常に着用している ソックスはマラソンを走り始めてその重要性に気付き、5,6年前から自分に合うものを探していたという。いろんなタイプの靴下を購入し、試してきた。神野が「これが一番合っている」と感じていたのは兵庫県加古川市の靴下メーカーユニバル社が製造するIDATENソックスだった。自費で購入していた縁から、コラボレーションして商品を作るプロジェクトが始まった。加古川市にある工場にも出向くなど、約1年間、試行錯誤を繰り返して昨年ついに完成し、販売になった。発売初月にはECでの販売数が500足を超えるなど、予想を上回る反響があったという。 株式会社ユニバルの加古川工場で製造過程を見学 次に販売したタオルも、今治の工場に足を運んだ。そこで製作過程を見学し、制作過程の拘りについて話を聞き、自分のプロダクトに対する思いを伝えた。小さなことかもしれないが、実際に現地に足を運んで現場の声を聞き、より良いプロダクトを生み出していこうという熱意は、必要なもの。それが、ユーザーに伝わるからだ。「商品のサンプルが届きました。はい、これでいいです。で、終わりじゃ、作り手の熱意がなかなか伝ってこないと思うんです。でも、現場にいってコミュニケーションを取ることで提携会社の方や、職人さんも僕も商品に対する熱量が確実に高まっていく。そうして良質の商品が生まれていくと思うし、それをみんなに知ってもらいたいという意欲も高まります」自分のブランドのプロダクトに対する知識と責任を持つために大切にしていることだという。 神野とIKEUCHI ORGANICの池内代表 大人向けのランニングクラブ運営 RETOが展開するもうひとつの事業がランニングクラブ「RETO RUNNING CLUB(RRC)」の運営だ。昨年5月、30名程度でスタートしたランニングクラブだが、現在は70名以上のメンバーを抱える。「現役のプロランナーがクラブチームを作り、市民ランナーの皆さんの目標達成をサポートするという目的でスタートしました。これは、全国的にも初の試みだと思いますし、僕自身のチャレンジでもありました。最初はどういう感じでメンバーと接すれば良いのか、どんなサービスを提供していけば満足してもらえるか、いろいろ考えましたね。実際に運営していく中で自分の立ち位置とか、やり方が見えてきて、今ではメンバーよりも僕自身が月2回の練習会を楽しみにしていると思います(笑)。そう思えるクラブを作れていることが本当に幸せなことですよね。」 RRC発足直後の公式練習会 ランニングクラブでは公式練習会が月に2回開催されている。クラブ合宿があり、さらに座学として、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一やスプリントコーチの秋本真吾らが講師となってリモート講座が設けられ、実践と知識と両立するスタイルでランナーをサポートしている。それ以外にもメンバーが個人練習会やイベントを開催することでメンバー間の交流が活発化し、コミュニティが生じている。「RRCは、本当にメンバーに恵まれていて、目標達成のために真剣に取り組みつつも、みんなで意見を出し合って、みんなで速くなろうという風土が出来ています。自分が頑張るだけじゃなく、他のメンバーの目標も応援してくれる。実際、僕もこれまでは応援される立場だったんですけど、今年の名古屋ウイメンズでメンバーを応援して、すごく楽しかった。今は、年間のスケジュールを決める際、このレースはメンバーが多く出るので、仕事とかぶらないようにしようとか、考えるようになりました(笑)」 メンバー自主企画イベント「小田鎌」 クラブのメンバーは入会の際、志望動機などの項目を埋め、応募する。合格した人は会費を支払って練習会に参加する。これが例えば、目標がなくても大丈夫、お金はいりません。走りたい人は誰でもどうぞ、走って飲みましょう。そういうチームがあってもいいが、それではRETOのようにチームがコミュニティ化して、お互いを高め合っていくようなクラブ作りは難しい。会費を払う側には学ぼうという意欲や目標達成への意欲があり、運営サイドには満足いく内容を常に提供する責任が生じる。両者が高いレベルで合致しないと大きな熱量は生まれない。「ランニングを通して人生を豊かにできると、クラブ運営を通して本気で思えるようになりました。目標を持つことの大切さも改めて実感しています。Challenge is successというテーマも掲げていますが、みんなが目標を達成したいという思いを持って、それに向けて挑戦していることがRRCを作り上げる上で大きなポイントになっていると思います」 真冬で雨の日の公式練習会 ただ、目標達成だけに突き進んでしまうと、どうしてもメンバー間で温度差が出てしまう。目標達成へのスタンスやアプローチはそれぞれあり、誰もが同じレールに乗る必要はない。「目標達成した人がすごくて、できなかった人はそうではないみたいな空気というのは絶対に作りたくないんです。目標を持って、前向きにチャレンジするというマインドが一番大事なことだと思っているし、何より皆さんプロではないですからね。”楽しい””やりがいを持って取り組める”といった前向きな気持ちでランニングと向き合って欲しいので。ランニングに対してモチベーションが上がらない時期があるのも当然です。ただ、一つだけ僕がメンバーに対してお願いしていることは「(少なくとも)年に1度は目標を持ってフルマラソンに挑戦しましょう」ということ。ただ、RRCに入れば自然とそういう気持ちになれると思うし、挑戦するために必要なサービスを提供できていると思います。」 公式練習会では神野自らペーサーも務める オウンドメディアで解決したい課題 RETOは、これまでの活動を通して、一般のランナーにも徐々にその存在を知られるようになってきている。それは口コミもあるが、RETOとしてSNSでの発信、各媒体への露出などでクラブとしての価値を高めていくというところにも重きを置いていることが大きい。プロダクトの開発と販売、RRCのランニングクラブ事業、そして3本目の矢としてRETOが考えているのが、このメディア事業だ。現在は、情報過多の時代だ。ヤフーなどの巨大なプラットホームでニュースや記事が配信され、SNSでは個人が呟き、noteなどメディアプラットホームを使い、個人でも多くの情報を発している。情報が溢れている分、自分が本当にほしいものにたどり着くまで時間を要したりすることもある。その課題を解決するために、RETOはオウンドメディアを立ち上げるという。...

「異端児」という共通項に見る、IKEUCHI ORGANICと神野大地のものづくり
Text: yuki yoshida 愛媛県・今治のタオルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」とプロランナーの神野大地、両者にはきっと、共通項があるはずです。 ……というのも、IKEUCHI ORGANICと“IKEUCHI ORGANICが好きな人たち”との間には、確固たる何かがあって、両者が同じ方向を向いている、と感じられるから。 IKEUCHI ORGANICが、どうして神野大地とものづくりをしようと思ったのか? IKEUCHI ORGANICの池内計司代表と広報の牟田口武志さんにお話を伺いました。 池内計司代表 牟田口武志さん画像提供:IKEUCHI ORGANIC 株式会社 「世界一、安全で精密なタオル」を掲げるIKEUCHI ORGANIC ── まずはじめに、簡単に自己紹介をお願いします。 池内計司代表(以下、池内):代表の池内です。現在のパナソニックに入って、オーディオブランドのテクニクスの立ち上げから12年ほどそちらにいました。その後、今治の家業であるタオルのほうに帰ってきて現在に至ります。 帰る直前に創業者の先代が亡くなったので、私自身は引き継ぎがないまま社長をやっているという形だったんですが、今は三代目の阿部に社長をしてもらっていまして、私はひたすらつくりたいものを勝手につくって、という気楽な立場でやっています。 ── ありがとうございます。牟田口さん、お願いします。 牟田口武志さん(以下、牟田口):私は今から7年前にIKEUCHI ORGANICに入社しました。その前は、大学を出て映画会社やTSUTAYAの会社、直近だとAmazonにいました。IT畑が長かったので、実態のあるものやものづくりにすごく憧れていて、きちんと手触り感のあるものを直接お客様に届けていきたいというのがあり、ちょうどタイミングと縁が重なって7年前に入社をしています。 現在は、広報のほかに営業の責任者でもありまして、WEBまわりや店舗、営業などをみています。マーケティングに関しても自分が担当しています。資格は、タオルソムリエという資格を持っています。これはうちの社員が全員取らないといけない資格で……。 池内:僕は持っていないです。...
「異端児」という共通項に見る、IKEUCHI ORGANICと神野大地のものづくり
Text: yuki yoshida 愛媛県・今治のタオルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」とプロランナーの神野大地、両者にはきっと、共通項があるはずです。 ……というのも、IKEUCHI ORGANICと“IKEUCHI ORGANICが好きな人たち”との間には、確固たる何かがあって、両者が同じ方向を向いている、と感じられるから。 IKEUCHI ORGANICが、どうして神野大地とものづくりをしようと思ったのか? IKEUCHI ORGANICの池内計司代表と広報の牟田口武志さんにお話を伺いました。 池内計司代表 牟田口武志さん画像提供:IKEUCHI ORGANIC 株式会社 「世界一、安全で精密なタオル」を掲げるIKEUCHI ORGANIC ── まずはじめに、簡単に自己紹介をお願いします。 池内計司代表(以下、池内):代表の池内です。現在のパナソニックに入って、オーディオブランドのテクニクスの立ち上げから12年ほどそちらにいました。その後、今治の家業であるタオルのほうに帰ってきて現在に至ります。 帰る直前に創業者の先代が亡くなったので、私自身は引き継ぎがないまま社長をやっているという形だったんですが、今は三代目の阿部に社長をしてもらっていまして、私はひたすらつくりたいものを勝手につくって、という気楽な立場でやっています。 ── ありがとうございます。牟田口さん、お願いします。 牟田口武志さん(以下、牟田口):私は今から7年前にIKEUCHI ORGANICに入社しました。その前は、大学を出て映画会社やTSUTAYAの会社、直近だとAmazonにいました。IT畑が長かったので、実態のあるものやものづくりにすごく憧れていて、きちんと手触り感のあるものを直接お客様に届けていきたいというのがあり、ちょうどタイミングと縁が重なって7年前に入社をしています。 現在は、広報のほかに営業の責任者でもありまして、WEBまわりや店舗、営業などをみています。マーケティングに関しても自分が担当しています。資格は、タオルソムリエという資格を持っています。これはうちの社員が全員取らないといけない資格で……。 池内:僕は持っていないです。...

【IKEUCHI ORGANIC × RETO】特別に、コラボタオルの設計図を見せてもらいました
Text: yuki yoshida 建物を建てるときに設計図が必要なように、タオルにも設計図がある……ということを、知りませんでした。IKEUCHI ORGANIC × RETOのコラボタオルも例外なく、設計図がなければ完成していません。 設計図には、つくり手の想いが込められている こちらが、今回のコラボタオル「IKEUCHI ORGANIC × RETO スポーツタオル」の設計図。 「どんなタオルをつくるか」がまとめられた設計図には、神野大地がどんなタオルを望んだか?が詰まっています。ただ、ご覧のとおり、素人が見ただけでは何が何だか分かりません。 今回は、コラボタオルの設計案を担当されているIKEUCHI ORGANICの池内計司代表と神野大地に、コラボタオルの設計図ができるまでにどんなやりとりがあったのかを聞きました。 全部で54万6000通り。設計に“らしさ”が表れる ── 設計というお仕事について教えてください。 池内計司代表(以下、池内):タオルは設計をして、最終的には織機というもので織っていきます。織機は基本的にはコンピューターで動いているので、コンピューターのデータを送り込まないといけません。そのデータが設計図です。 コンピューターのデータに関しては、僕みたいなアバウトな人間だとうまくいかないので(笑)、矢野という設計担当者がきっちり落とし込んで工場に正確に伝えるという感じでやっています。 ── 企画や設計案は池内代表が、細かいところは矢野さんが、というイメージでしょうか? 池内:そうです。僕はわりと、生産性の良し悪しなどを度外視して、最終的にお客さんが喜んでくれそうなものを設計します。けど、工場サイドはそういうわけにはいかなくて。矢野は大体工場の責任者と私の間に挟まって非常にツラい思いをしているという……(笑)。 ── 設計の要素は糸の太さやパイルの長さになるのでしょうか。どうやってタオルごとの違いを出していくのか教えていただけますか? 池内:タオルには、お客さんが実際に触るパイルといわれるものと、表からは見えないけれど下に隠れている縦糸横糸があります。縦糸方向の密度、横糸方向の密度、それとパイルの長さなど、タオルとして実際にありそうなところを掛け算していくと大体54万6000通りくらいあるんです。 それで、IKEUCHI ORGANICは、タオルの風合いの基本パターンでいうと10〜15種類にしぼっています。54万6000通りのどこをチョイスするかというのは、その会社の設計者の考えみたいなところでチョイスしているわけで、それによってタオルは大きく変わります。 だから、その10〜15くらいの種類が、IKEUCHI...
【IKEUCHI ORGANIC × RETO】特別に、コラボタオルの設計図を見せてもらいました
Text: yuki yoshida 建物を建てるときに設計図が必要なように、タオルにも設計図がある……ということを、知りませんでした。IKEUCHI ORGANIC × RETOのコラボタオルも例外なく、設計図がなければ完成していません。 設計図には、つくり手の想いが込められている こちらが、今回のコラボタオル「IKEUCHI ORGANIC × RETO スポーツタオル」の設計図。 「どんなタオルをつくるか」がまとめられた設計図には、神野大地がどんなタオルを望んだか?が詰まっています。ただ、ご覧のとおり、素人が見ただけでは何が何だか分かりません。 今回は、コラボタオルの設計案を担当されているIKEUCHI ORGANICの池内計司代表と神野大地に、コラボタオルの設計図ができるまでにどんなやりとりがあったのかを聞きました。 全部で54万6000通り。設計に“らしさ”が表れる ── 設計というお仕事について教えてください。 池内計司代表(以下、池内):タオルは設計をして、最終的には織機というもので織っていきます。織機は基本的にはコンピューターで動いているので、コンピューターのデータを送り込まないといけません。そのデータが設計図です。 コンピューターのデータに関しては、僕みたいなアバウトな人間だとうまくいかないので(笑)、矢野という設計担当者がきっちり落とし込んで工場に正確に伝えるという感じでやっています。 ── 企画や設計案は池内代表が、細かいところは矢野さんが、というイメージでしょうか? 池内:そうです。僕はわりと、生産性の良し悪しなどを度外視して、最終的にお客さんが喜んでくれそうなものを設計します。けど、工場サイドはそういうわけにはいかなくて。矢野は大体工場の責任者と私の間に挟まって非常にツラい思いをしているという……(笑)。 ── 設計の要素は糸の太さやパイルの長さになるのでしょうか。どうやってタオルごとの違いを出していくのか教えていただけますか? 池内:タオルには、お客さんが実際に触るパイルといわれるものと、表からは見えないけれど下に隠れている縦糸横糸があります。縦糸方向の密度、横糸方向の密度、それとパイルの長さなど、タオルとして実際にありそうなところを掛け算していくと大体54万6000通りくらいあるんです。 それで、IKEUCHI ORGANICは、タオルの風合いの基本パターンでいうと10〜15種類にしぼっています。54万6000通りのどこをチョイスするかというのは、その会社の設計者の考えみたいなところでチョイスしているわけで、それによってタオルは大きく変わります。 だから、その10〜15くらいの種類が、IKEUCHI...

すべては「IKEUCHI ORGANICが好きだから」。スポーツタオルでのコラボが叶った理由
Text: yuki yoshida 「たぶん『好きです』みたいなことしか伝えてないかもしれないです(笑)」と柔らかい笑顔で話すのは、RETO事業の責任者であり、神野大地のマネジメントを務める高木聖也。 RETOとIKEUCHI ORGANICのコラボタオル「IKEUCHI ORGANIC × RETO スポーツタオル」を企画・開発するにあたって、今回は、高木から神野に“IKEUCHI ORGANICがどんなにいいか”をプレゼン。神野も、自宅でIKEUCHI ORGANICのアイテムを愛用するくらい今ではすっかりファンになっていますが、コラボをするにあたって、二人の間でどんなコミュニケーションがあったのでしょうか。 プロランナーの神野大地とRETO事業の責任者である高木聖也が、たっぷりと、IKEUCHI ORGANICへの愛を語っています。 なんで、IKEUCHI ORGANICだったのか? ── 今回なぜ、IKEUCHI ORGANICとコラボしたいと思ったのでしょうか。 高木聖也(以下、高木):僕がIKEUCHI ORGANICのファンで。本当に、ものがすごくよくて、基本的にはそこがすべてです。あとは、メディアの発信でより好きになっていったというのがリアルなところで、WEBメディア「イケウチな人たち。」やnoteなどの読み物からこだわりが見えてくるのがいいなと思っていました。 実際に広報の牟田口さんとやりとりさせていただいても、「自分の周りのアスリートに提供できますよ」といった話をしたら、そこにも結構条件があって。「ぜひ使ってください」という感じでただ商品を提供するのではなくて、「このタオルを本当にいいと思ってくれる方じゃないと……」と言われて、そういうところが逆にすごくいいなと感じたのもあります。 ── 高木さんがIKEUCHI ORGANICのファンになったのは、美容師の方のnoteがきっかけだったとか。普段から、人の勧めに耳を傾けるタイプなんでしょうか?その発信を見て、どうして使ってみようと思ったのですか? 高木:結構前のことなので鮮明には覚えていないのですが、IKEUCHI ORGANICのことは、牟田口さんの発信や共通の知人のSNSを通してなんとなく知っていました。それで、自分のタイムラインに流れてきた記事を読んで、買ってみたいと思いました。それはたぶん、noteの文章が響いたというのもあったと思いますが、そんなに深く考えずに買ったという感じです。そういうことがよくあるかというと、普段はそんなにないです。 ── IKEUCHI ORGANICを潜在的に知っていて、タイミングが合って購入に至ったということですね。...
すべては「IKEUCHI ORGANICが好きだから」。スポーツタオルでのコラボが叶った理由
Text: yuki yoshida 「たぶん『好きです』みたいなことしか伝えてないかもしれないです(笑)」と柔らかい笑顔で話すのは、RETO事業の責任者であり、神野大地のマネジメントを務める高木聖也。 RETOとIKEUCHI ORGANICのコラボタオル「IKEUCHI ORGANIC × RETO スポーツタオル」を企画・開発するにあたって、今回は、高木から神野に“IKEUCHI ORGANICがどんなにいいか”をプレゼン。神野も、自宅でIKEUCHI ORGANICのアイテムを愛用するくらい今ではすっかりファンになっていますが、コラボをするにあたって、二人の間でどんなコミュニケーションがあったのでしょうか。 プロランナーの神野大地とRETO事業の責任者である高木聖也が、たっぷりと、IKEUCHI ORGANICへの愛を語っています。 なんで、IKEUCHI ORGANICだったのか? ── 今回なぜ、IKEUCHI ORGANICとコラボしたいと思ったのでしょうか。 高木聖也(以下、高木):僕がIKEUCHI ORGANICのファンで。本当に、ものがすごくよくて、基本的にはそこがすべてです。あとは、メディアの発信でより好きになっていったというのがリアルなところで、WEBメディア「イケウチな人たち。」やnoteなどの読み物からこだわりが見えてくるのがいいなと思っていました。 実際に広報の牟田口さんとやりとりさせていただいても、「自分の周りのアスリートに提供できますよ」といった話をしたら、そこにも結構条件があって。「ぜひ使ってください」という感じでただ商品を提供するのではなくて、「このタオルを本当にいいと思ってくれる方じゃないと……」と言われて、そういうところが逆にすごくいいなと感じたのもあります。 ── 高木さんがIKEUCHI ORGANICのファンになったのは、美容師の方のnoteがきっかけだったとか。普段から、人の勧めに耳を傾けるタイプなんでしょうか?その発信を見て、どうして使ってみようと思ったのですか? 高木:結構前のことなので鮮明には覚えていないのですが、IKEUCHI ORGANICのことは、牟田口さんの発信や共通の知人のSNSを通してなんとなく知っていました。それで、自分のタイムラインに流れてきた記事を読んで、買ってみたいと思いました。それはたぶん、noteの文章が響いたというのもあったと思いますが、そんなに深く考えずに買ったという感じです。そういうことがよくあるかというと、普段はそんなにないです。 ── IKEUCHI ORGANICを潜在的に知っていて、タイミングが合って購入に至ったということですね。...