Text: yuki yoshida
2月には実際に兵庫県加古川市にある工場を見学。本記事では、工場見学後にUNIVALの横山社長と神野が行った対談を公開する。
前編では、今回のコラボ経緯や神野の靴下事情についてざっくばらんに話している。
なぜ、ランニングソックスの開発に挑むのか
神野大地(以下、神野):今日は、横山社長と一緒にUNIVALの靴下のこだわりだったり、僕自身靴下にどんなこだわりを持ってるかだったり、靴下にフォーカスした話をできればなと思います!
横山社長(以下、横山):はじめまして。株式会社ユニバルの代表の横山と申します。
この度コラボさせていただきましたが、神野さんには、もともとうちの「IDATEN」ソックスを履いていただいていたというところがあり。そういう繋がりでうちの社員共々びっくりしたというのが最初でしたね。
神野:今回UNIVALさんとコラボしたきっかけなんですが、僕が去年(2021年)の1月、ちょうど1年前くらいに、コロナ禍ということでなかなかYouTubeの動画を配信できなくて、何かできることがないかなと思って「みんなの質問に答えます」っていうコーナーをやったんですよ。
そしたらその質問にUNIVALさんがコメントをくださって。コメント内容が「靴下は何を履かれているんですか?」というのだったんですよ。
僕、YouTubeとかでも「IDATEN」を履いてるのは出してるんで、(僕が何の靴下を履いているかは)知ってらっしゃると思ってたんですけど、どうやらそうではなくて。単純に、UNIVALさんに「神野選手は靴下にどんなこだわりを持ってますか?」とコメントいただいた形でした。
で、「実はIDATENを履いてます」と返信して、その後担当の方が購入者の履歴を見てみたら僕の名前があって連絡いただいたっていう、そんな感じでしたね。結構レアなケースだとは思うんですけど。
横山:そうですね。
神野:でもそうやって、今一緒に商品を企画できるっていうところまで関係を築かせてもらえたのはすごく嬉しいですし、このコラボ商品をもっと色んな人に知ってもらいたいなという風に思っているので……ありがとうございます!
ちなみに、UNIVALさんは、色んな企業さんとかとコラボされていると思うんですが、今回アスリートの僕とコラボしていただいた理由って何ですか?
横山:きっかけに関しては先ほど神野さんからお話が出ましたけど、うちの会社は靴下製造を長年やってきました。特にスポーツに関しては、大手企業さんのものとかを作ったりもしていますけど、自社工場で自社企画しながら何か開発できないかっていうのがあって。
色んなアスリートの方とのお話があるなかで、ランニングに関しては北京オリンピックに出場された小林祐梨子さんに監修をしていただいています。彼女とは数年前にひょんなことから知り合うことができまして、加古川観光大使をされているので「身近に感じますね〜」というところからはじまりました。当時、スポーツソックスのなかでも特にランニング・陸上関係の商品に力を入れていきたいと思っていたところだったので、「一度会社に来て、見ていただけませんか?」とお願いして、そのとき作っていた商品を見ていただいて改良ポイントをいただきました。ほかの方の話も聞いてみたいなという風に、社内ではずっと言っていたんです。
神繋がり!? “たまたま”からはじまった不思議な縁
横山:今回コラボさせていただいた商品が「IDATEN」っていうんですけど、IDATEN(韋駄天)というのは走りの神様で。で、神野さんって山の神。
神野:はい、一応そう言われています(笑)。
横山:三代目でしたっけ。……っていうところで、前から神野さんのことを気にはなっていたんです。でも神野さんにコンタクトをとるなんて、そんなこと考えられなかったですけど……。
韋駄天 → 走りの神様 → 神野さん。しかも、神野さんの「かみ」って、神様の「かみ」ですもんね!
神野:はい、なんか色々ありますね!山の神の「かみ」もあれば神様の「かみ」もあるっていう。
横山:神っていうのはやっぱり、天からの声みたいなところがあるんで。そこらへんも踏まえて、これは何かあるんじゃないか……というのが本音ですね。
神野:それはもう、僕としては嬉しいです。
お話をいただいたときは、僕も色んな靴下を試してみようと思っていた時期でした。マラソンを走るときに、足の裏がすごく痛くなるというか……擦れてしまっていて、後半足の裏が痛くてペースが落ちちゃうということがあったので。
これまで、トラックレースとかではそんなに靴下へのこだわりって、僕自身はなかったんですよ。けど、マラソンってなったときに、はじめて、靴下でパフォーマンスが変わるんじゃないかと思いました。
UNIVALさんの商品ではない靴下も3、4種類試してみて、「IDATEN」が一番良いという風に感じたので、自分で買って履いていたというところがUNIVALさんとの最初の出会いといいますか。で、今こうやって、良いものとして使っていた商品を、そのメーカーのUNIVALさんと一緒に企画させていただけて「RETO × IDATEN」として発売できるのは、僕にとっても一番幸せな流れですね。
横山:嬉しいです。
私どもとしては、そもそもどうして数ある靴下のなかから「IDATEN」をお選びになったのかというのが、やっぱり気になっています。
神野:繰り返しになりますが、マラソンの後半、足の裏が擦れて熱くなってきて痛くなるというのが僕にはあるんですよ。で、滑り止めが付いてる靴下だとそれが起きやすかったんですよね。
練習用だと滑り止めは付いてないんですけど、滑り止めが付いてないと中で動くっていうところで。はじめてこの「IDATEN」を履いたときに、滑り止めのブツブツが付いてないけど滑らなかったんですよ。で、「あ!求めてたのはコレだ!」ってなったんですよね。
僕これまでは、練習用の靴下と試合のときや大事なキツい練習のときに履く靴下を分けてたんですけど、できれば一緒にしたかったんですよ。
滑り止めが付いてる靴下って、値段的にも高くて、結構破れやすいので、練習でたくさん履いて破れちゃって……っていうのもあって分けてたんですけど。
普段のジョックのときからキツい練習のときまで同じ靴下でいきたいなっていうことを考えていたときに、「IDATEN」は滑り止めは付いてるけどブツブツがないから、普段のジョックでも疲労していく感じがなくて。実際に、ポイント練習やキツい練習でもいつもと同じような感覚で履けるっていうところが「IDATEN」を好んだ理由でしたね。