エンブレムのプライドを胸に走る

RRC member interview

text:Shun Sato

第8クール A+チーム(目標:サブ2時間50分)MVP 渡部健太さん

途中まで300点のレース

東京マラソンでPB(2時間49分51秒)を出せて嬉しかったです。

37キロまでは300点ぐらいのレース展開でした。そこでもう自己ベストはほぼ確信したのですが、サブエガ(2時間50分切り)を出す上ではそこからの5キロがめちゃくちゃしんどかったです。38キロでキロ4分ぐらいに落ちて、別にPB更新で満足するのでもよかったんですけど、50分を切れる可能性があるのにその栄光を自ら手放すのは嫌でした。

覚悟を決めて走った東京マラソン

東京マラソンは、そもそも当選しないと走れないので、今後、走れるかどうかわからない。人生、最初で最後の覚悟で臨んだので、ここでやり切らなかったら絶対に後悔すると思って、39キロからのラスト3キロは必死で盛り返しました。

確か残り2キロ地点だったと思うんですけど、そこでのRETOのみなさんの応援は、めっちゃ響きました。この時はマジで上げないと50分切りが出来ないと思ったのですが、その背中を押してもらいました。

ウルトラの経験が活きた

サブエガを達成できたのはウルトラマラソンの経験が活きたからだと思います。100キロをひとりで淡々と走っていくことでメンタルが相当に鍛えられました。あと、しんどくなった時の対処法も学びました。キツくなって「なんで自分は走っているんだろう」と考えた途端にその時点で一気に落ちてしまいます。そう考える時点でポジティブではなくなっているので、絶対に考えないように遠くの景色を見たり、聴いている音楽を口ずさんだりして、走ることから気持ちをそらしています。東京マラソンの時も普段、東京の街の真ん中なんか走れないじゃないですか。そこを走ること、そして見える景色を十分に楽しもうと思って途中キョロキョロしながら走りました。それでちょっと疲れて(苦笑)。でも、最終的にそうやって気を紛らわして走れたことが良い結果に繋がったと思います。

X(旧Twitter)で存在が拡散

東京を走った時も感じましたが応援がすごく力になるし、反対にするのも楽しいですね。それは自分が北海道コンサドーレ札幌というサッカーチームを熱く応援していることが大きいのかなと思います。ユニフォームが赤黒で目立つし、それを着て走ると沿道の人がすごく声をかけてくれるんです。東京では、残り5キロの田町の付近ではいろんなユニフォームを着た人が応援していて、チームの応援歌を歌ってくれました。その地点で応援していた札幌サポーターの方に「Jリーグのユニフォーム着たランナーで1位は昨年の限定ユニフォームで背番号6中村選手の方です!」と、ハッシュタグも添えてXで拡散されたんです。あとで「それ自分です」と返信して盛り上がりました(笑)。エンブレムを背負って走るのは、RETO タンクを着て走るのと同じで、自分がその代表みたいな意識になります。だから、恥ずかしい走りができないし、他のチームのユニフォームを着た人には負けられないと思って走りました。

4歳からコンサドーレ札幌と歩む

コンサドーレは4歳の時からファンです。当時のホームスタジアムが家から歩いて20分ぐらいだったのでよく観に行っていました。保育園の頃にコンサドーレのサッカースクールに入って、そこで仲良くなった子の両親が応援団の人でした。それがきっかけで今でもできるだけ試合に行くようにして、ゴール裏で飛び跳ねたり、旗を振ったりして応援しています。もし、練習会で声が潰れていたら察してください。コンサドーレは僕の人生そのものです。

地元・札幌でPBを狙う

次の最大の目標は、北海道マラソンでサブエガを出すこと。僕の地元ですし、RETOを始め、友人や家族の応援がすごいと思うので、楽しみです。東京マラソンよりも厳しいコンディションになるのは間違いないと思うんですけど、そこで自己ベストを出すことができたら、それ以上に最高のことはないので(笑)。

 

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