RRC member interview
text:Shun Sato
第10クール A+チーム(目標:フルマラソンsub2時間50分)MVP 渡部健太さん
PB狙いの道マラ
北海道マラソンは地元のレースなので自己ベスト更新しか狙っていませんでした。準備は3月の東京マラソンが終わった後すぐにスタートしました。6月に飛騨高山ウルトラマラソンを控えていたのでモチベーションが下がることはなかったです。
レースの1〜2カ月前は、長い距離を無理のない範囲で3時間ぐらいかけて何キロ走ったのかで自分のコンディションを測って、そこから調子を上げていくという練習の組み方をしています。
練習は質にこだわる
月間の走行距離は4月から6月までは220キロから250キロぐらいで、サブエガを目指して走っている人よりは少なかったと思います。仕事が忙しい時期は思うように走れないので、質にこだわることを意識しています。ほかには旅行先で走るようになりました。知らない街を走るのが好きで気分転換にもなります。
7月下旬の公式練習会前夜、とあるメンバーから夜通しで山手線一周を走ろうと誘われてノリで走ったんです。その日はキロ5分から5分半ぐらいで走りましたが、山手線外周は1周すると40キロぐらいでマラソンの練習にはもってこいのよく出来たコースです。深夜1時にスタートして朝6時に終わって、そのまま仕事に行き夜に公式練習会の1500mTTに出たのですが最後に激タレしたことは忘れません。
長時間、長い距離を走る
その週末には富士登山競走(五合目コース)というレースに出ました。道マラまで1ヶ月ちょっとしかなく、ずっと上り坂で足に負担がかかるので怪我したらまずいなと心配していたのですが、問題なく走り切ることができました。
暑さ対策としては、7月以降は朝7時前に走り始めても30度近くあったので、そこで徐々に体を慣らしていきました。道マラはこれよりは涼しいはずだから今頑張れば必ず本番で良い走りができると自分に言い聞かせていました。
道マラへのこだわり
「なぜそこまで道マラにこだわるの?」とよく聞かれますが、それはストレートに北海道が“ホーム”だからです。北海道のランナーは冬の間、雪が積もるので室内か滑る雪道で恐る恐る走り、4月になってようやく普通に走れるようになります。北海道は4〜5月からレースが入ってきて8月末の道マラで勝負するという文化なので、冬に勝負する本州とは真逆になります。初めて道マラに出た大学2年の時から春からトレーニングをして夏の大一番に臨むという流れが身体に染みついていて今でも抜けません。
チームサポの後押し
あとは基本的には応援している某サッカーチームのユニフォームを着用してレースに出ていますが、道マラに関してはそれによって受ける沿道からの声援が他のレースとは段違いです。その後押しを背に受けて結果的に自己ベスト(2時間48分05秒)を更新できて最高にうれしかったです。
結果で証明
周りからは暑くて自己ベストを出すのは厳しいと思われていただろうなとは感じていました。でもそこはもう結果を出して黙らせてやるくらいの思いでやってきました。これまで自己ベストを5回出しているうちの4回が道マラになります。確かに別府大分や大阪・東京の方が涼しいしタイムが出やすいと言われますけど、僕にとっての勝負レースは歳を重ねても道マラです。
道外から参戦するランナーにとって、道マラはシーズンに向けた距離走という位置づけで出場して、観光も兼ねて楽しむという方がとても多いことを改めて実感しました。
目標の重要性
―なぜ、走るのですか。
中学生でサッカーをやめてから太り始めてその時の姿にはもう戻りたくないというのと、目標を失った人ほど弱いものはないと思っていて、その目標を持つためでもあります。道マラが終わって9月10月はなぜ走っているんだろうって思うことが多かったですが、次のレースである別大が近くなってようやくスイッチが入りました。目標を持って走ると楽しいし、生きるモチベーションになる。走ることは僕にとっての生命維持装置みたいなものです。